2002年(平14)創部で初の夏決勝に躍り出た健大高崎(群馬)が、8回のバッテリーのミスで智弁和歌山に勝ち越しを許し、準優勝に終わった。

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初の全国制覇にあと一歩届かなかった。だが強打の智弁和歌山のお株を奪う1発が夢を見させた。1点を追う8回1死二塁。健大高崎の石田雄星外野手(3年)がエース和気のカーブを捉えた打球は右翼ポール際に吸い込まれた。逆転の甲子園1号2ラン。応援団が集う三塁側アルプスへ右手を突き上げた。「スタンドやベンチの仲間を見たら『お前なら大丈夫だ』と勇気をもらった。みんなが打たせてくれた」と感謝した。

ただ、逃げ切るのは容易ではなかった。再逆転負けで優勝には届かなかったが「高校野球はやりきった」と悔いなく終えた。

下級生の頃は幼さを指摘する声もあったが、3年生になってグラウンド内外で引っ張る存在に成長した。きっかけは、昨夏の甲子園初戦を前に鳴尾浜臨海球場での練習で起きた「舌打ち事件」だ。他の選手たちがグラウンド練習に打ち込む中で、隣の原っぱに居残りでストレッチを課された。ついカッとなって舌打ちした4日後、京都国際との初戦で敗退。早々と甲子園を去る結果になり、あの時の行動を何度も猛省した。

「(トレーナーの)塚原さんから『新チームになったら、お前がチーム全体をいい方向に導かなきゃ絶対勝てない』と言ってもらって。すごく心に響きました」。主将として初めて臨んだ昨秋の群馬大会は準々決勝で敗退。「谷間の世代」と言われる厳しい船出だった。チームは徐々に戦力を整えたが、最後の夏を控えた6月に右手有鉤(ゆうこう)骨を骨折。順風満帆な1年を過ごしたわけではない。思うようにはいかない時を過ごしながらも、前に進み続けたからこそ見える景色があった。「18年間生きてきた中で、一番最高の夏休みになりました」。胸を張れる銀メダル。最後の夏を目いっぱい満喫した。【平山連】

◆決勝の逆転本塁打 健大高崎・石田雄が8回に逆転の本塁打。夏の決勝で逆転アーチは07年副島浩史(佐賀北)が広陵戦で満塁弾、19年井上広大(履正社)が星稜戦で3ランを放ったのに次いで3本目。勝利に結びつかなかったのは初めて。

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