仙台育英(宮城)は優勝校の智弁和歌山に準々決勝で敗れた。9回2死から、今野、代打の小山、途中出場の杉山、3年生の意地の3連打で2点を奪った。その様子を見守っていた倉田葵生主将(3年)は「100%の力を出し切って、執念を見せてくれた」と仲間の雄姿をたたえた。

倉田が「一番そばで支えてくれた人」と話すのが学生コーチの大平夢翔捕手(3年)。大平は3度の右肩の脱臼に悩まされ、倉田が主将に就任した昨秋のほぼ同じ時期に学生コーチになった。大平の野球ノートには、毎日決まって最後に『倉田を日本一のキャプテンにする』の一言が添えられていた。

夏の大会を控えた頃。下級生が主力に名を連ね、努力を重ねてきた3年生が背番号をもらえず、チーム内で歯車がかみ合わない時期もあった。全体ミーティングを終えた後も、倉田と大平は涙ながらにミーティングを重ね、主力と控え選手の本音をぶつける時間を設けることでチームを一つにしてきた。倉田は大平を「自分の足りないところを補ってくれる本当に大きな存在」と感謝は尽きなかった。

日本一には届かなかった。だが、倉田は「悔しいです…けど、それ以上に悔しい経験をした仲間がサポートしてくれている。そう考えると自分が泣く理由はない」と白い歯をみせた。「入学当初は『野球を一生懸命やろう』と思って入学しましたが、入っていみると人間性の部分で学ぶことが多かった。これから大学でも野球を続けるので、生かしていきたい」。まっすぐな目で話した。

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