2018年MLBレギュラーシーズンもレッドソックスがプレーオフ進出を決めるなど終盤を迎えている。個人賞レースも白熱しており、ア・リーグではエンゼルスの大谷翔平投手の右肘の負傷が気になりつつも好調な打撃もあって新人賞への期待が高まっている。そんななかナ・リーグの新人賞に向け注目が集まっているのがナショナルズのフアン・ソト外野手だ。

ソトは2015年にナショナルズと契約、今年5月20日にメジャーデビューを果たした19歳だ。元々打撃センスが高く評価されており、デビュー2戦目の21日のパドレス戦で初本塁打を放つとその後もヒットを積み重ね12日までで打率3割6厘、本塁打18、60打点を記録している。

この数字がいかにすごいかはまず10代、ティーンエージャーの選手としては本塁打数で元マリナーズのケン・グリフィー・ジュニアの16本を抜いて歴代4位である。3位の元ヤンキースのメル・オットの19本も目の前だ。

さらに出塁率と長打率とを足し合わせた値であるOPSでは元ヤンキースのミッキー・マントルが.792、タイ・カッブが.749、グリフィー・ジュニアが.748だったのに対しソトは.950という驚異的な数字となっているのだ。

近年選手の価値を表すのに使われるそのポジションの代替可能選手に比べてどれだけ勝利数を上積みしたかを表す指標WARで過去のティーンエージャーの選手が残した記録を見てみると、野手では同じナショナルズのブライス・ハーパー外野手が2012年に19歳で記録した5.2が最も高く、オットの3.9、グリフィー・ジュニアの3.3と続く。ソトは現在2.7で3人には劣るものの、5位に位置しているのだ。今後の活躍次第ではさらに上がる可能性も高い。

こうした活躍もあって、地元紙ワシントンポストは「史上最高のティーンエージャー・ヒッター」とまで呼ぶまでとなった。新人賞レースにおいても“ティーンエージャー”という響きは大きな強みとなるだろう。シーズン後の10月25日に20歳となるソトが10代最後に更なる輝きを見せてくれることに期待したい。