大谷が右腕違和感、勝利考え無理にでも出力上げたか

  • アストロズ戦に登板した大谷(AP)

<エンゼルス5-6アストロズ>◇2日(日本時間3日)◇エンゼルスタジアム

【アナハイム(米カリフォルニア州)2日(日本時間3日)=斎藤庸裕】二刀流復活をかけて今シーズンに臨んだエンゼルス大谷翔平投手(26)に、再び試練が訪れた。

右肘のトミー・ジョン手術から復帰2戦目の登板となったアストロズ戦で1回2/3を投げ5四球2失点で降板。最後の打者に対しては直球の球速が急降下し、異変が見られた。降板後に右腕の違和感を訴え、病院へ直行。MRI検査を受けた。結果次第となるが、軽症でも今後の投手起用に影響を及ぼしそうだ。

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大谷の表情には気迫があった。「ただ投げているだけの感じが強かった」前回とは違った。結果として自分との闘いになってしまったかもしれないが「抑えにいく」意思は見えた。

調整期間は、基礎練習を繰り返した。登板3日前。「課題やフィーリングを確かめるのに一番大事」とするキャッチボールを72球、ブルペンの後、追加でキャッチボールを行った。ルーティンの壁当てを含め約150球、腕を振った。それでも調整を終えた大谷はどこかつまらなそうな、納得のいかない様子だった。

そんな中、マドン監督から直接、助言を受けた。「もっと楽しんでいい」。肩の力は少し抜けたが「野球を始めた時から比べたら、かかるプレッシャーも大きいし、責任も大きい。そういうところを含めたら、純粋に楽しんでいるだけではいられないとはもちろん思ってます」。普段は冷静沈着な男が重圧を感じていることまで口にした。

無観客という難しさもあった。登板前日、大谷は「どうやって気持ちを上げていけばいいのか」と胸中を吐露した。当日のキャッチボールではステップして勢いをつけ、腕を思い切り振った。ブルペンでは最後の15球で捕手から球種を指定してもらい、試合を想定。アドレナリンが出にくい中でも「勝つことが一番」と考えるから無理にでも出力を上げたのかもしれない。結果に悔いは残るかもしれないが、直前まで最善を尽くす姿勢は顕著に見えた。【MLB担当=斎藤庸裕】

<大谷の経過>

◆18年10月1日 右肘内側側副靱帯(じんたい)の再建術(トミー・ジョン手術)を受ける。

◆19年3月8日 術後初のキャッチボール。

◆5月7日 打者で公式戦復帰。

◆6月26日 術後、初ブルペン。

◆9月13日 左膝蓋(しつがい)骨を手術。

◆10月上旬 キャッチボール再開。

◆20年2月23日 キャンプで初のブルペン入り。20球、全て直球で調整。

◆3月13日 新型コロナウイルスの感染拡大でキャンプ中断。

◆5月下旬 打者を相手に実戦想定の投球開始。

◆7月3日 キャンプ再開。ブルペン入りで37球。

◆同7日 紅白戦で打者10人に1安打、7四球の乱調。後日、腰の張りを訴えていたことが明らかに。

◆同13日 紅白戦2度目の登板で打者15人に2安打、5四死球。

◆同19日 3度目の紅白戦。打者22人に5安打、4四球。

◆同26日 18年9月2日アストロズ戦以来693日ぶりに公式戦登板。1死も奪えず打者6人に3安打、3四球、5失点。プロ最短降板。