【ヒューストン(米テキサス州)1日(日本時間2日)=四竈衛】エンゼルス大谷翔平投手(27)がアストロズ戦に「3番DH」で出場し、初回に18号先制ソロを放った。右腕クリスチャン・ハビエル投手(25)から右翼2階席へ。6月20日から続く連続試合出塁を10試合と伸ばしたが、チームは早々と逆転を許し、敗れた。大谷以外の先発メンバーがすべて三振を喫する大惨敗の中で孤軍奮闘も、メジャー5年で通算500試合目(打者として485試合)の出場を、白星で飾れなかった。

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敗戦後、静まり返ったエ軍クラブハウス内に、シャワー室から放送禁止用語の怒声が響き渡った。声の主は不明だが、帰路に就こうとしていた大谷が、思わず「ビックリした」と足を止めるほどだった。長丁場の公式戦では負けることもある。だが、目の前の敗戦と素直に向き合えないほど、ナインの行き場のないフラストレーションが充満していた。

地区首位ア軍との初戦は、通算500試合目の出場となった大谷の豪快弾で幕を開けた。6月20日から10試合連続出塁。その間、出塁率5割3分5厘と、大谷は上昇気流に乗った。だが、先制後はエ軍打線が沈黙し、ハビエルの前に7回まで大谷以外の8選手で14三振。安打も大谷のソロ以降はハビエル降板後の8回までなし。序盤にあっさりと逆転されると、一方的な展開で惨敗した。

6月7日にマドン監督が電撃解任され、26日のマリナーズ戦では死球を巡って大乱闘。ネビン監督代行が異例の10試合出場停止処分を受けただけでなく、故障で離脱する選手が出るほど代償は大きかった。カリスマ的な指導力を持つ名将を失った末、乱闘を機に求心力も失ったチームは迷走。地区首位を走るア軍相手に大谷の1発だけで勝てるはずもなかった。

大谷が本塁打を打てば開幕から9勝1敗と好調だったが、6月21日以来、この日で4連敗となった。残り83試合。数字上はプレーオフ進出の可能性は残っていても、現状のままであれば、大谷が望む「ひりひりするような9月」は、到底イメージできそうにない。

▽エ軍モンゴメリー・ベンチコーチ(出場停止中のネビン監督代行に替わって指揮) まだ多くの試合は残っている。だれも、それ以外のことを考えているとは思わない。これからも、モチベーションをキープしていきたい。