日本ハム大谷翔平投手(20)が「3・11」のマウンドに上がる。今日11日、DeNAとのオープン戦(鎌ケ谷)に先発する。この日に登板を重ねた栗山英樹監督(53)は、「まだ大変な生活を送られている人がいる。明日はしっかりとしたものを見せて欲しい」。震災の残した傷痕に苦しむ人々の心に届く、気持ちのこもった好投を期待した。大谷は10日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷でブルペン入りし、最終調整した。
大谷が、特別なマウンドに上がる。花巻東の1年生、16歳のときに被災した東日本大震災。今日11日で、4年を迎える。DeNA戦へ向け「(意識は)特にないです」。本人は多くを語らなかったが、あえてこの日に登板を重ねた、指揮官が代弁した。
栗山監督 そこに関しては忘れてはいけない。好きな野球を職業としてやらせてもらっている。翔平も(震災を)経験してきた。恩返しできる立場になりつつある。まだ大変な生活を送られている人がいるし、明日はしっかりとしたものを見せてほしい。あいつはわかっているはず。
「3・11」にマウンドに上がる意味。いつも以上に、大谷の力に期待した。
震災から1カ月ほどがたった4年前の4月初旬に、2人は出会った。スポーツキャスターだった栗山監督が、超高校級選手だった大谷をインタビューした。「最初に話したのは震災のことだった。捕手の子がお父さんお母さんと連絡が取れていなくて、翔平が心配していた」。チームメートの家族のことで心を痛める大谷の姿を、今でも忘れていない。
4年がたち、監督と選手という間柄になった大谷は、球界を代表する選手に成長している。初の大役となる、27日楽天戦(札幌ドーム)の開幕マウンドも近づいている。栗山監督は「野球をやっている人間がしなければいけないこと、尽くさなければいけないことがある」。単なるオープン戦でないことを強調した。
大谷はこの日、2軍施設の千葉・鎌ケ谷でブルペン入りし42球を投げた。前回登板した3日の巨人戦は、4回6与四球4失点の乱調だった。リベンジの思いもある。「基本的にやることは変わらない。自分ができることをしっかりとできれば。(鎌ケ谷は)まだ寒いので、入りを大事にしたいです」。球界の常識を打ち破ってきた大谷が、一生懸命に野球に打ち込む姿が、大きな傷を負った人々の心にも、きっと届く。【本間翼】
<大谷と被災地>
◆好投をプレゼント 1年目の13年3月10日、教育リーグ・ヤクルト戦で実戦初登板し、2回1安打無失点デビュー。東日本大震災からちょうど2年で、「ひとつ、いいニュースを届けられたらと思っていた」。
◆球宴で27年ぶり 13年7月22日、福島・いわきでの球宴第3戦で同点適時打を放ち、決勝ホームも踏んで全パの逆転勝ちに貢献。高卒新人では86年清原以来の打点を挙げ敢闘選手賞を受賞。「こういうところにいられて幸せでした」。
◆先輩とタッグ 13年12月28日、岩手・花巻市内で、花巻東の先輩、西武菊池と「ふるさと復興応援イベント」に参加。打撃指導やトークショーを行い「僕自身が楽しかったですし、やれてすごく良かった。毎年こういう機会があればいいなと思います」。
◆社会貢献活動に意欲 14年12月6日、福島県での復興支援イベント「ベースボールフェスタin福島」に参加。「東北でイベントをする機会もなかなかない。楽しかったです」。「目標としてもらえる選手になってから」と条件つきながら、将来的に慈善活動に取り組みたいとの思いを明かす。




