中日谷繁元信兼任監督(44)が選手として仕上げの段階に入った。ソフトバンク戦で今季初マスクで貫禄のリード。7回から守備に就き吉見、浅尾を計2イニング無失点に導いた。スロー調整が続いていたが、開幕まで2週間を切り、明らかなギアチェンジ。1度は遠のいた、開幕スタメンの可能性が再び出てきた。

 指揮官が扇の要に座った。7回に代打出場すると、当たり前のようにベンチで防具を着けてその裏の守備に就いた。ここまで出場2試合は代打に限定していたが、このタイミングで自らムチを入れた。

 今季初マスクの感想を問われて「スムーズに入れた」とさらり。「試合勘については大丈夫だけど、細かい動きができるか確認しながらイニングをのばしていく」と続けた。開幕まであと7試合。選手谷繁が本気モードに突入した。

 気になる男たちを「生チェック」する狙いもあった。7回、中継ぎ登板の吉見が2イニング目のマウンドに向かっていた。右肘の張りで楽天戦(7、8日)の登板を回避。状態を見極めるには絶好の機会だった。試合後は手に残る感触を確かめるように「悪くないです。今日に限っては(回避の影響は)ない」と、問題なしと判断。8回に登板した浅尾とともに、キーマン2人を見事に無失点投球に導いた。

 コントラストが際立った。スタメン出場した6年目松井雅は開幕候補の1人、山井をうまくリードしきれず5回5失点。5回終了時にベンチで谷繁兼任監督から“説教”される場面もあった。バットの方でも18打数2安打、打率1割1分1厘と元気がない。存在感、経験、判断力…。プロ27年生との差は確かにある。

 谷繁兼任監督は今月5日に「1つの目安としてやっているけど、それが全てではない」と発言。儀礼的な開幕の出場にはこだわらない姿勢を示してきた。松井雅、武山らにチャンスを与え、奮起を促してきた。だが、もっとも状態のいい選手を指名するというのが指揮官の考え。心身ともに仕上がれば開幕の先発マスクもあり得る。

 この日の試合後は「ちゃんと準備できれば(自身がかぶる)可能性があるけど、まだ2イニング。どうなるか分からないよ」と含みを持たせた。27日、阪神戦で22年連続開幕スタメンとなるか。マスク越しに光る眼光は今季も変わらず強烈だ。【桝井聡】