雨中の粘投は実らなかった。阪神岩崎優投手(23)が自己最長7回1/3を投げ、9安打2失点で2敗目を喫した。7回1死一、二塁のピンチでは、代打後藤を投併殺打に打ち取りピンチを脱出。試合が動きだした。
その裏、今度はバットを持った岩崎が奮闘した。昨季までなら代打だった2死一塁で左前に今季2本目の安打。「自分としても8、9回も行くんだという気持ちだった」とベンチの方針に奮い立った。だが、後続が倒れて無得点。8回は1死一、三塁のピンチを招いて無念の降板となった。「投げきりたかったです」と見つめたマウンドでは、2番手福原が致命的な2点を失った。
降板時には孤軍奮闘した左腕に3万2106人から拍手が送られた。昨秋キャンプで訴えた左肩の不安で調整が遅れ、2年目は2軍キャンプから始まった。1年間をにらんだ計画でじっくりと準備を進めた。そのため実戦初登板は2月28日。「開幕ピンチ」と見られることも…。2月中旬にはポツリと本音をはき出していた。
「僕はいいんです。開幕アウトなんか1度も考えずにやってきているんで。でもファンの方はどう思うかわからない」
この夜投じた101球。それは先発6番手の存在を再確認させた。まだ生命線の制球は100点とはいかない。それでも粘った。和田監督は「ランナーを背負いながらあそこまでよく行った。内容的には悪くない」とたたえた。報われなかった好投は、必ずや次の白星につながる。【松本航】
▼岩崎の投球回7イニング1/3は自身プロ最長。前登板までの平均投球回は5・24イニングだった。昨季に5度あった過去の自身最長7イニングを投げた試合では3勝をマーク。最長を更新した今回は黒星となった。



