敗戦目前のチームを救ったのは、メジャー通算61発男だった。楽天ギャビー・サンチェス内野手(31)の一振りが、土壇場で試合を振り出しに戻した。2点を追う9回無死二塁。打席で「何とかイーブン(同点)にしよう」と集中力を高めた。カウント2-2からオリックス馬原の134キロのスライダーを見逃さなかった。打った瞬間に分かる同点の2ランは、左中間スタンドにあっという間に突き刺さった。「チームを助けることができたのがうれしい」と控えめに喜んだ。

 年俸2億5000万円の意地を見せた。試合前までは10打数1安打の大不振。1日に2軍での再調整を言い渡された。ファームではメジャー時代の映像を繰り返し見て、良い時のフォームを頭に焼き付けた。「間の取り方、手の位置、本来のスタイルに戻した」とトップの手の位置を少し下げた。力強さが戻り、タイミングも合うようになった。この日、再昇格し、結果を残すと「悪い時に何を考え、行動するかが大事」と手応えをつかみ始めている。

 チームは助っ人の1発で敗戦濃厚から、引き分けに持ち込んだ。大久保監督は「勝ちに等しい引き分け。(本塁打は)デカかった。デカイよ。9回のあそこでホームランが打てるなんてすごいよ」と目を細めた。サンチェスのお気に入りは日本の桜。満開の花を見て「非常にキレイ。1本くらいマイアミに持って帰りたい」と話すほど。ようやく咲き始めた打棒が、満開になる日は近い。【島根純】