栗山監督の秘蔵っ子が、鮮やかにベールを脱いだ。日本ハム・ドラフト3位の高卒ルーキー浅間大基外野手(18)が、楽天戦に「2番中堅」で1軍初出場初先発し、初安打、初盗塁と躍動した。骨折離脱した陽岱鋼に代わり緊急招集。4回、プロ初安打から初得点を決め、チームを逆転勝ちへ勢いづけた。今季初の3連敗阻止に貢献し、停滞ムードを一掃する新風を吹き込んだ。

 爽やかな春風になった。高卒ルーキーの浅間が、チームを上昇気流に導いた。2点を追う4回。「甘い球がきたら、どんどんいこうと思っていた」。楽天美馬の高めに浮いたフォークをフルスイング。中前で落ちる打球に向かって、たまらずほえた。プロ初安打。この回に1点を返し反撃、逆転勝利への起点になった。「すごいうれしかったので、あまり覚えていないです」。ズボン右ポケットで膨らむ初安打の記念球が、冷めない興奮を呼び起こしてくれた。

 停滞ムードを吹き払うピースに、抜てきされた。2軍戦では30試合で打率3割2分3厘。前夜の同戦で陽岱鋼が負傷で離脱し、大谷は別メニュー調整中。栗山監督は「野球の神様が、今日なんだと言っている気がした。アイツが持っている非凡さは、チームの活性化につながると思う」と緊急昇格を決断した。高い能力を評価され、次代を担う主力候補。2軍で実戦を積み、熟成させる方針で育成を優先してきた。1軍昇格へ踏み切る条件はレギュラー起用と限定し、首脳陣とフロントで意思統一。中堅がいきなり空き、踏み切った。

 勢いを吹き込んだ。動き始めた打線は5回に内野ゴロの間に勝ち越し。なお2死三塁。浅間の第3打席での暴投が、貴重な追加点になった。第1打席に空振り三振もファウルで粘るなど内容ある初打席から、安打を経ての3打席目。相手投手の警戒が、少なからず貴重な4点目を生む伏線になった。持ち前の快足で二盗を決めプロ初盗塁もマークと、走攻守に躍動した。お立ち台では「本当に、最高にうれしいですし勝利につながったので良かった」と感動を爆発させた。

 中学時代は新宿シニア、高校では名門の横浜で日本代表に選出。高校2年時の13年夏の神奈川県大会準々決勝。桐光学園のエースで、楽天の新守護神・松井裕から2ランを放ち、甲子園の夢を打ち砕いた逸話を持つエリート球児。ともに横浜から日本ハムへ入団した高浜とは、1月の新人合同自主トレからグラウンド内外での行動を別にした。「いつも一緒にいると、アイツにとっても良くないし甘えに見える」とケジメをつけた、高いプロ意識がここ一番で効いた。

 この日は、こどもの日。夢見る少年少女へ「自分に厳しく、努力し続けること」と力いっぱい伝えた。プロ第1歩の道筋を、まぶしい才能で照らしていた。【田中彩友美】

 ◆浅間大基(あさま・だいき)1996年(平8)6月21日、東京都出身。牛込一中では新宿シニアに所属し投手兼外野手。横浜では1年春からベンチ入りし、2年夏の県大会準々決勝で桐光学園・松井裕樹(現楽天)から2ランを放った。今季2軍戦は主に1番打者で起用され、30試合出場で打率3割2分3厘、2本塁打、21打点。183センチ、75キロ。右投げ左打ち。家族は両親と姉2人。