オリックスがド派手に5連敗から脱出した。左膝痛から復帰2戦目のトニ・ブランコ内野手(34)が3回に移籍1号ソロ。離脱中に支えたフランシスコ・カラバイヨ外野手(31)との初アベック弾で5月2勝目に導いた。借金11の最下位ながら、大砲の連弾で打線に弾みがついた。

 ピンポン球のようだった。ブランコの打球は一直線にバックスクリーン左へ。昨季チームが4敗と苦手にした上沢を3回途中KOに追い込んだ。「完璧だったね。勝利のために打ちたかった。最初の1本はホッとする。カラバイヨが打ったし、自分も打ちたい気持ちだった」。年俸2億5000万円の2年契約でDeNAから移籍した大砲。開幕から1カ月以上経過しての初アーチを喜んだ。

 キャンプ中に痛めた左膝を悪化させ、4月1日に出場選手登録を抹消。前日8日にようやく1軍復帰した。その間、カラバイヨが穴を埋める活躍をした。ブランコは「安心した。焦って早く戻ろうという気持ちを抑えられた。治療に時間をあてることができた」とソロアーチは同僚への感謝も込めた。2軍期間中に鍋など野菜中心の食生活と日々のジョギングで、体重4キロ減の効果もあった。

 その打席の直前にはカラバイヨが曲芸アーチを放った。内角球を振り抜くと左翼への高いフライはスライス軌道を描き、フェアゾーンに戻ってスタンドイン。「あれ、なんだこれ、と。入ると思わなかった。びっくり」と日本語で驚きを表現した。2戦連続の5号2ラン。今季本塁打を打った試合の初勝利で“ミスター空砲”も返上となった。

 ベンチ前でハイタッチすると、カメラ目線で投げキッス。明日11日に来日する家族に向けた。19打点と合わせてチーム2冠王だが「まだまだ。チームのためにやっていきたい」と頼もしい。こちらは年俸1000万円。最高のコストパフォーマンスを発揮している。

 森脇監督は「チームに勢いがつくホームラン」と2人の初アベック弾をたたえた。復帰2戦目の中島が2安打、不振の安達も5回に走者一掃3打点でディクソンを援護した。故障者続出で思わぬ順位に沈んでいるが、シーズンのほぼ4分の1が経過し、やっと理想の形が見えてきた。【大池和幸】