主砲の一振りが4カードぶりの勝ち越しを呼び込んだ。日本ハム中田翔内野手(26)が、オリックス戦の5回に両リーグトップを独走する13号ソロを左翼席中段へたたきこんだ。4試合ぶりのアーチで貴重な追加点を奪った。今季3度目の猛打賞、全打席出塁と打線をけん引した4番の活躍で、3位のままだがソフトバンクと西武にはゲーム差なし。首位奪回が見えてきた。
バットとボールが奏でた甲高い衝撃音が、勝利への合図だった。中田が余韻に浸った。5回先頭。初球の135キロ真っすぐに、スラッガーの本能が爆発した。「(直球は)狙っていない。反応して打っただけ。スムーズにバットが出た」と、豪快な放物線が左翼席中段へ届いた。両リーグトップを独走する13号ソロ。ゆったりと、かみしめるようにダイヤモンドを一周。貴重な追加点を奪った。
好投手を打ち崩し、流れに乗った。オリックスの先発西から2回は中前に落ちるポテンヒット。4回には詰まりながらも二遊間を抜く中前打でレアードの先制7号3ランを誘発した。「たまたま、いいところに転がってくれただけ。結果オーライじゃないですか」。内容は不満も結果が伴った。第3打席の完璧な1発で今季3度目の3安打猛打賞。6回は四球を選んで全打席出塁と打線を引っ張った。
4番として求められる理想像と現実に葛藤がある。12日西武戦の試合前。7試合連続で本塁打から遠ざかっていたこの日、周囲の関係者に思わず本音を吐露した。「毎回、打てると思うなよ」。安打の延長が本塁打と考える主砲にとって、期待に応えられない悔しさもあった。5月に入り、相手投手のマークも厳しくなった。少ない絶好球を一振りでとらえる難しさ。「簡単に本塁打は打てないから」。心の叫びだった。
コンディションも下降気味だった。14日西武戦では6回の走塁で本塁突入時に左膝を強打。昨季、苦しんだ古傷に再び不安を抱えた。蓄積疲労もあり、ここ3試合は試合前練習のアップのみ回避。体調を整えながら、フリー打撃ではフルスイングを封印。「ポイントの確認だけ」と、ロングティーなどを通して最もパワーを伝えられるインパクト部分を何度も確認。すべては、試合で結果を残すための必死の調整だった。
4番の会心の打球は、栗山監督もうならせた。「こういう試合は主役が勝負できるか。4番らしい、素晴らしい打撃だった」。チームは4カードぶりの勝ち越しでソフトバンク、西武とゲーム差なしの3位。波に乗っていきそうな主砲の活躍で、再奪首も視野に入った。【木下大輔】
▼中田がオリックス戦の5回に海田の初球をとらえ、13号ソロを放った。カウント別の本塁打数では初球がこの日で3本目で、カウント0-1と並んで最多タイ。次いで2-1の2本と続く。逆にカウント0-1、0-2、1-2、3-0では本塁打は放っていない。



