ヤクルトが長いトンネルを抜け出した。今季2敗を喫している巨人高木勇に対し、真中満監督(44)が積極打法を敢行。ヒットは4本ながら、全て3球以内に仕留めて、難敵を攻略した。投手陣も17試合ぶりの無失点リレーと投打にかみ合った。試合前には、選手会長の森岡良介内野手(30)が選手だけの緊急ミーティングを開くなど、チーム一丸で3年ぶりの10連敗を阻止した。

 三塁側のヤクルトベンチに、久しぶりの笑顔が戻った。5番手のバーネットが、最後の打者・阿部を中飛に抑え、ようやく白星をつかんだ。3日の広島戦以来2週間ぶりのハイタッチ。選手を迎える真中監督も目を細めた。「1つ勝つのは大変だとあらためて感じた」とかみしめた。

 相手の土俵に持ち込ませなかった。負ければ、3年ぶりの10連敗。ひそかに練っていた高木勇攻略法がはまった。試合前、真中監督は「彼は何の球種でも勝負できる。見た目は早打ちで雑に見えるかもしれないが、早めに打っていかなきゃいけない」と、積極打法を明かした。読み通り、チーム4安打は全て3球以内で、効率良く2点を奪った。

 上田は、覚えていた。3回2死一、三塁。1-1からの3球目。内角高め直球をさばいた。高木勇との前回対戦(4月26日)は4打数1安打だったが、唯一のヒットは初球から生まれていた。「速い球に合わせて、攻める意識でいった」と速球を意識して、先制適時打をマークした。

 荒木も同じだった。1点リードの7回1死二塁。初球をフルスイングした。内寄りの143キロ直球を捉え、中越えの適時二塁打をマークした。「積極的にいくことが大事だと思っていた」と、変化球の制球もいい高木勇に追い込まれる前に貴重な2点目を挙げた。

 試合前には、選手間でミーティングを行った。選手会長の森岡は「僕たちは好きな野球をやらせてもらって、お金を頂いている。下を向いている場合ではない」と呼びかけた。ようやく手にした5月の3勝目は、好調時を十分に思い起こさせる展開だった。最下位からの逆襲は、これからだ。【栗田尚樹】