不惑を迎えた男の激走が、西武のレジェンド右腕に引導を渡した。巨人高橋由伸外野手(40)が、一塁からの好走塁でダメ押し点を奪った。4回、自らの適時打で2点目を奪って、なおも一、二塁。片岡の左翼線二塁打の間に、一気に4点目のホームを踏んだ。42歳西口との“40代対決”でも2安打と完勝。高橋由の好調とともに、打線も勢いを取り戻し始めた。

 背中の番号「24」が土まみれだった。4回2死一、二塁、一塁走者の高橋由はギアをトップに入れた。左翼線を転がる間に三塁を蹴って、体ごとスライディング。本塁で待ち受けた阿部の手につかまって、立ち上がった。試合後は「疲れたよ」と笑ったが、原監督の「よく走った。あとはエネルギーを供給させた方がいいと思って」との決断で5回の守備から交代した。

 今季、自主トレのテーマの1つが「走る」だった。周囲には「太っちゃうからな」と冗談めかしたが「開幕スタメン」を掲げた以上、走攻守で貢献するのが高橋由の流儀。年齢を重ねれば、衰えが出始める下半身の強化は不可欠だった。1月の沖縄自主トレ、全体メニュー後、1人黙々と外野のポール間を走った。豪雨の中でも、妥協はなかった。シーズン中の今も、練習前に敢行する。日々の積み重ねが結実した。

 “40代対決”を制した。2回、左翼線にポトリと落ちる二塁打を放ち、4回にはリードを2点に広げる右前適時打。「久しぶりといっても、対戦も少ないからね」と意に介さなかったが、42歳右腕の西口から2安打を放った。「結果が全てだからね」。24日の中日戦からスタメンに戻った。力で奪ったチャンスを簡単に譲る気などなかった。

 高橋由の好調もあって、交流戦の開幕前、指揮官が「水鉄砲打線」と表現した打線も、上昇の兆しを示した。原監督は「少しらしさが出てきた。攻撃力が1枚、2枚、上乗せできていますね」と評価した。「新成巨人」の真の力を交流戦で披露する。【久保賢吾】