男気(おとこぎ)投球で連敗脱出だ! 広島黒田博樹投手(40)が、「日本生命セ・パ交流戦」の楽天1回戦で序盤から飛ばし、7回を4安打無失点で5勝目をマーク。チームの3連敗と本拠地マツダスタジアム7連敗を止め、今季ワーストの借金9を防いだ。6月2日が命日だった母靖子さんのためにも、白星を届けたい-。その思いをマウンドで示した。
初めてリードした7回。雨と汗にぬれた黒田は、最後の力を振り絞った。楽天の下位打線を力で3者凡退に切った。今季2番目に多い112球。マウンドを降りる黒田の額は、汗と雨水で光っていた。
「欲を言えばきりがないけど、0点に抑えてチームが勝てたことが良かった」。チームトップの5勝目を手にしても、試合後はただチームの勝利を喜んだ。
プレーボール直前に1度やんだ雨は、3回裏から再び降り注いだ。背番号15の両肩には雨粒だけでなく、大きな重圧も降りかかっていた。チームは3連敗でワーストタイの借金8。本拠地マツダスタジアムでは7連敗中だった。そんなチームの重たい空気に拍車をかけるように、前夜から降り続く雨…。チーム状態も、グラウンド状態も決していいとは言えなかった。
しかし、立ち上がりから飛ばした。低めに球を集め「抜けた球もいいように使いながら投げた」。バッテリーを組み公式戦3試合目の石原との息も合った。直球系を中心に、スライダーとスプリット。カーブも交えた。1日に後輩の前田や野村にアドバイスを求めた緩い球でカウントを整えた。6回2死満塁は一塁新井の好守備に助けられた。
勝利をささげたい人がいた。02年に他界した母靖子さん。6月2日が命日だった。前回、5月29日オリックス戦に先発した翌日、大阪・堺市の両親が眠る墓を参った。「あまりこんなタイミングはない。いいタイミングだった。母だけでなく両親には感謝している」。米大リーグ時代は年1度しか行けなかった墓参り。復帰を決めた昨年は2度行った。
男気をマウンドで示した。緒方監督は「しっかり7回を投げてくれた。ナイスピッチング」とたたえた。連敗が止まり、広島ナインにも笑顔が戻った。【前原淳】



