よう追いついたけどなあ…。阪神は延長11回、安藤がソフトバンク松田に2ランを浴びて力尽きた。「日本生命セ・パ交流戦」の首位、セ・リーグ2位浮上のチャンスを逃した。苦戦の原因は3番マット・マートン外野手(33)の大ブレーキ。8回、代走を送られるとベンチで何かを叫び、イライラ…。今カード3試合無安打と復調の兆しも消えたM砲に、首脳陣も起用法を再検討する可能性が出てきた。
最後は安藤が沈んだ。延長11回、松田のサヨナラ2ランを見届けると右腕はうつむいた。虎戦士たちにも疲労の色がにじんだ。劣勢から同点とし、5投手をつぎ込んで総力戦に持ち込みながらの敗戦だった。
和田監督 今日はいけるところまでいったというところだな。
指揮官はパ・リーグ首位を相手に粘り強く戦ったチームを評価しながらも、表情は厳しかった。あえて勝てなかった要因を探せば、悩める主砲マートンにたどりつく。7日、日本ハム戦で3安打2打点と復調気配を示し、期待されたM砲だが、結局、この3連戦は10打数無安打に終わった。
この日も初回に併殺に倒れると、8回無死一、二塁という好機で力のない投ゴロに倒れた。続くゴメスの四球で二塁まで進むとベンチは代走俊介を送った。これに対してマートンはベンチに戻ると顔を紅潮させ、何事かを言い放った。打撃用グラブをたたきつけるとベンチ裏へと消えた。不穏な空気が漂っていた。
試合後、マートンはうつろな表情で帰りのバスに乗り込んだ。通訳が報道陣を制し、コメントを発することはなかった。和田監督も「ちょっと内容がよくないな…」と深刻な状態であることを認めた。その上で打順、スタメン外しなどを含めた起用法について問われると、こう言った。
「それは俺が決める」
平田ヘッドコーチも「3安打した後も納得していない部分がある。考えすぎているのかな」と説明した上で、起用法については「それはいろいろあるから…。調子の波があるから、辛抱していかないと」と言葉を濁した。試合前には和田監督と平田ヘッドが通訳と話し込む場面もあった。依然として力強い打球が出ない状態であり、起用法を再検討することになりそうだ。
昨季首位打者が開幕から一向に状態が上がらず、精神面の不安定さものぞかせていることから、球団は第6の助っ人調査に乗り出している。復調気配を見せたことで沈静化はしているがリーグ再開へ向けて状態を注視している。高額年俸で実績もあり、代役が見当たらないマートンを巡っては現場、球団内でさまざまな意見が出ている。猛虎が抱える大きな悩みは、いまだ解決していない。【鈴木忠平】



