雨上がりの夜空の下、楽天の背番号1が9回のマウンドに駆けだしていった。1万7443人の歓声に包まれたのは、守護神の松井裕樹投手(19)。「高校時代にも経験がない」という4日連続登板にも疲労の色はみじんも見せず、最後は2者連続の空振り三振で16セーブ目を挙げた。ウイニングショットに選んだのは143キロのストレート。「チェンジアップを待たれている気がしたので直球でいった。今日は3人で抑えられたことが良かった」と、最後まで頭は冷静だった。

 この日の13球で、4日間4イニングの合計は76球を数えた。大久保監督は「19歳の子に酷なことをさせている。そこに応えてくれている」と最敬礼する。それでも松井裕は、周囲の信頼を自らの力に変えてマウンドへと上がる。「間隔を空けなければゲームの中で修正ができるし、試合の中でしかつかめないものもある。もっと成長したいんです」。貪欲な向上心が、連投の左腕を支える源だ。

 ホームでは7回裏をメドにアップを始める。早めに体を温めておき、試合展開に応じてブルペンでの投球数をコントロール。塚田ブルペン捕手は「最初はのんびりしているのに、グラウンドに出る時には100%になっている。ベストの調整方法を自分で分かっている」と、ベテランのような調整過程に驚く。無駄な消耗を避け、全力を試合に注ぎ込むすべを知っている。

 大車輪の働きで、チームは今季2度目の4連勝。借金返済までいよいよ1と迫った。明日の登板の可能性を聞かれた松井裕は「もちろんです!」と即答。頼もしい19歳が、チームを支える。【松本岳志】