日本ハム大谷翔平投手(20)がアクシデントに見舞われながら、ハーラートップの8勝目を手にした。8回無死一塁の場面で、DeNA乙坂へ3球目を投げた際に、右足首をひねり、途中降板となった。幸い軽症で済み、7回0/3を4安打1失点の好投。再び、勝数、勝率、奪三振の3部門でリーグトップに立った。

 低めを狙ったスライダーが、ストライクゾーンから大きく外れた。8回無死一塁、DeNA乙坂への3球目。大谷は軸となる右足をひねり、体をよろめかせた。今季すでに2度、ふくらはぎをつっているだけに、ベンチには戦慄(せんりつ)が走った。幸い、ふくらはぎには異常なし。右足首をひねり、大事を取って降板したが、4安打1失点で8勝目を手にした。「(試合前の)ブルペンは一番悪かったけど、何とか粘れてよかったです」。試合前調整と終盤のアクシデント、首脳陣を2度ヒヤヒヤさせたが、結果はしっかりと出して見せた。

 3回には自らの暴投で先制を許した。最速159キロの速球は走ったが「スライダーは使えるに値しない。フォークも落ちてない」。苦しいマウンドが続いた。そんな自分を、チームメートになったばかりの矢野が、強烈に援護してくれた。6回に逆転の3ラン。同じDHが「定位置」なだけに、すごさがわかる。「DHで、(直前に)投手が替わるところは難しい。初球からいくなんてできることじゃない」。年齢差は15歳あるが、矢野は自分の息子の話など、気さくにコミュニケーションを取ってくれる。「今日はホントに感謝したい」。心強い先輩に、大谷は最敬礼した。

 感謝の思いは、マウンドで体現した。直後の7回は、先頭の筒香に中前打を浴びたが、続くロペスを155キロ直球で空振り三振。バルディリスをフォークで併殺に仕留めた。グラブをたたき、雄たけびを上げた。矢野が待つベンチへ、胸を張って引き上げた。

 試合後、札幌市内の病院で検査を受けたが、ひねった右足首は異常なし。大谷は「(調子の悪い日は)シーズンの中で絶対にある。でもそれで『ダメです』じゃ、話にならない。粘れたのはよかった」と言った。苦しんだ分、得られた財産は多かった。【本間翼】

<大谷のアクシデント>

 ◆右足首捻挫 ルーキーイヤーの13年4月13日オリックス戦(ほっともっと神戸)の右翼守備で、ファウルを追った際、フェンスに激突。天然芝と土との境目で右足首を痛めた。神戸市内の病院で精密検査を受け「軽度の内反捻挫」と診断された。翌14日に出場選手登録を抹消された。

 ◆ほお骨折 13年7月11日、楽天戦(Kスタ宮城)の試合前練習中に、フリー打撃の打球が右側頭部付近を直撃。仙台市内の病院で精密検査を受け「右頬骨(きょうこつ)不全骨折」と診断された。3日後、ロッテ戦で本拠地初本塁打となる代打アーチ。

 ◆緊急降板 14年4月3日ソフトバンク戦(ヤフオクドーム)では3回終了時、6月11日巨人戦(札幌ドーム)では7回途中、18日阪神戦(甲子園)では8回終了時、右ふくらはぎがつったためマウンドを下りた。今年は開幕の3月27日楽天戦(札幌ドーム)で6回途中、両ふくらはぎをつり、4月26日オリックス戦では5回途中で右ふくらはぎをつり、降板した。

 ◆発熱 DHで出場が見込まれていた3月17日の広島とのオープン戦を風邪による発熱のため欠場。先発が決まっていた同27日の開幕戦(対楽天)への影響が危惧されたが、翌18日にチームに合流した。