まだ下を向く必要はない-。中日は前半最終戦を大黒柱の大野で落とした。最下位ターンは20年ぶり。4連勝フィニッシュも逃したが、首位とはまだ4ゲーム差だ。後半戦は新外国人のペレス、ネイラーや右肘故障から復帰する吉見らが合流見込み。若手の台頭もあり、戦力的な見通しは明るい。谷繁元信兼任監督(44)は力強く「再点火」を宣言した。

 シャワーで不快な汗を流し、ロッカー室を出た谷繁兼任監督は前を見ていた。いつもと変わらない表情で愛車に乗り込んだ。

 大黒柱の大野を立て、必勝を期した前半最終戦は敗れた。打線は山中を打てず、前日14安打の勢いも3連勝の波もすっかり失っていた。20年ぶりの最下位ターン。借金は8だ。この1試合を見れば目の前が暗くなりそうだが…。

 前半戦は紆余(うよ)曲折だった。谷繁兼任監督の総括で印象的なシーンがあった。「チームにとってよくない前半戦だった」。こう言って、すぐに念を押した。「『よくない』というのは結果。借金を抱えたというところです」。首位とのゲーム差、順位など外野目線で気になる点より、負け越しの数を気にした。

 指揮官の言葉をかみ砕けば数字は気にくわないが中身に関しては「よくない」ことは決してないということだ。確かに光が見えている。

 新人の遠藤が遊撃のポジションに落ち着き、亀沢や高橋周らも台頭の気配を見せている。「投手では若い若松や小熊が出てきた」。昨年までとは違う戦力が加わり、チーム力は着実に厚みを増してきた。

 13日には左右の両外国人投手の補強を発表。特にメジャー21勝左腕のペレスは後半戦のローテーション入りが確実視される。右肘の違和感などで1カ月半離脱している吉見もこの日、ナゴヤ球場でシート打撃に投げるなど、復帰が近い。

 監督もそこに期待する。「うちは1軍も2軍も、チーム全員で戦わないといけない。新外国人やケガ人は実戦をやってからになるけど、そこがうまく8月に入っていくにつれハマッてくれたらね」。

 選手会長の大島もこう言い切った。「うちは一番下なのでとにかく勝つしかない。僕はずっと出るつもりです。何とか引っ張っていけるようにしたい。全然まだまだチャンスはありますから」。そう、あきらめる段階では決してない。勝負の57試合が、4日後に再開される。【柏原誠】