王様は私だ。阪神ランディ・メッセンジャー投手(33)が巨人に完璧なリベンジ投球だ。1回の2死満塁をしのぐと、8回までゼロ行進で6勝目。10日の東京ドームで6回4失点KOされた屈辱を晴らした。前日に続いて甲子園観戦した世界的俳優渡辺謙(55)もご満悦。メッセに任せれば、案ずる必要はない。
31日ぶりの白星に白い歯が輝いた。一塁側ベンチ横でキャッチボールをしていたメッセンジャーは、2点打を放った二塁上のマートンに向かって、右の拳を高々と挙げた。8回を6安打無失点。6月20日ヤクルト戦以来、5試合ぶりの6勝目を手にした。
「序盤は苦しみながらダメージを最小限にという意識でいったので、ゼロで逃げ切れたのは大きかった。なかなか白星もつかなかったですし、チームにとっての勝利としても大きいものと思います」
初回に2死満塁の最大のピンチを迎えた。6番阿部にカウント2-0とボール先行になりながらも内角を攻めた。3球直球を続けた。最後は145キロで右飛に仕留めた。窮地を乗り越え優位に試合を進めていった。「こういう投球もできるんだよ」と奪った三振は今季最少タイの2。それでも来日6年間で通算奪三振は858を数え、パウエル(ソフトバンク)に並び歴代外国人4位となった。和田監督は「(初回の)2死満塁で阿部か。あそこをしのげたのが非常に大きい」と称賛した。
巨人には10日東京ドームで6回4失点で連勝を止められた。勝てない1カ月間でも、最大の屈辱。「とにかくあのマウンドを忘れられなかったので、やり返したいという気持ちでマウンドに上がった」と打ち明け「ジャイアンツに勝つのは最高の気分です」とお立ち台で胸を張った。
熱のこもった投球に虎党も笑顔だ。今季から甲子園で発売されるプロデュースラーメンの第2弾「辛口豚担(とんたん)麺」が20日に登場。売れ行き好調と聞き「みんなも食べてね」とアピールした。グッズを増やすことが、マウンドで躍動する原動力だ。これまで発売されたタオルやTシャツなど全て、封を開けずにベネッサ夫人が大切に保管。今年4月には江崎グリコとタイアップの限定商品「記念スマイルビスコ」が発売され、「なかなか僕のグッズがないんだよ。これは喜んでくれるよ!」と一家のコレクションに加わった。活躍と比例してグッズも増加-。そんな願いが右腕に力を与える。
ハリウッドスターも笑みが止まらなかった。前日は0封負けに肩を落としていた俳優渡辺謙が、この日は大喜び。メッセンジャーは「2年前のキャンプでお会いしています。どんどんいい映画に出てほしいので、応援しています」とニッコリ。みんなに笑顔を運んだ勝利だった。【宮崎えり子】



