しばしの別れの前に、悲しすぎる敗戦だ。阪神が勝てば首位浮上だったヤクルト戦で完敗。3位に転落し、恒例の長期ロードを迎えることになった。4番マウロ・ゴメス内野手(30)、5番マット・マートン外野手(33)が不発に終わり、今季11度目の完封負け。首位での聖地帰還、待ってるで。
甲子園のフラストレーションは最高潮に達した。打線がのらりくらり投げるサブマリン山中を打てず、好投していた岩崎が2点を先制された。イライラの中で迎えた8回、1人の男性が三塁ベンチ上のネットによじ登った。すぐに警備員に連行されたが、試合は一時中断となり、スタンドの不快感はさらに上昇した。
和田監督 やっぱり、タイミングだろうな…。球種が多いわけじゃないし。タイミングが合わないから、しっかりと振れないような感じだった。なかなか練習できる投手じゃないからね。初対戦じゃないから、前回の反省を生かして、打ちたいところだったけど…。
熱帯夜のゼロ行進、和田監督はこう振り返った。頼みの主砲ゴメスが不発だった。初回1死一、二塁では詰まり気味の中飛、6回無死二塁では力ない遊ゴロに倒れた。ここ5試合で18打数2安打、打率1割1分1厘。本塁打は16試合出ておらず、トンネルに入ってしまったようだ。マートンもこの日はチャンスで2つの見逃し三振。初回にマートンは四球を選んだが、2人で6度あった得点機で走者をかえせなかった。打線の中心が打たなければ大混戦は抜け出せない。
平田ヘッドコーチ 相手が上だったということ。攻略法を教えてほしいよ。
和田監督 1回目より2回目、2回目より3回目という感じにしていかないと。対戦する投手だから。
これで山中に2戦2敗。13イニングで1得点と、厄介な存在になりそうだ。
また、クリーンアップの後ろで暴れていた7番江越も止まった。得点圏で2度打席に立ったが無安打。結局、3連戦を通じて無安打と完全に封じられた。打ち出した途端に相手の徹底した攻めに遭う。プロの厳しさを味わい始めた。終盤はリリーフをつぎ込んだが、前半戦を支えた福原が打たれ、左腕加藤も止められなかった。聖地にしばしの別れを告げる試合で、不安材料が目立ってしまった。
和田監督 (混戦を)抜け出したいという気持ちはあるんだけど…。ビジターの数字があまり、よくないからね。気持ちを引き締め直して(甲子園に)帰って来る時は混戦(の中にいる)か、抜け出して戻って来れるようにしたいと思います!
最後は力を込めて言い切った。3位で旅立ち、甲子園を空ける7カード中5カードがビジターの長期ロード。猛虎にとっての正念場が始まる。【鈴木忠平】
▼阪神の完封負けは、球宴明け初戦の7月20日巨人戦以来、今季11度目。11度の完封負けはセ・リーグ最多。なお、昨シーズンは完封負け12度で、今季48試合を残し、早くもあと1と迫った。
▼阪神のゴメス、マートンの両外国人は、球宴後11試合でそろって打率2割5分と低調。7月の球宴前13試合でのゴメス3割5分4厘、マートン3割2分から急落してきた。球宴明けの得点圏打率は、2人合わせて1割9分2厘(ゴメス10打数1安打、マートン16打数4安打)。主軸が好機を生かせず、得点力が上がってこない。
◆ヤクルト山中との対戦VTR 阪神打線はこの日、山中に7回で0点に抑えられたが、前回対戦の7月2日(神宮)では6回5安打で1点しか奪えずに敗れている。7月2日はゴメスが山中に対し、2本の二塁打をマーク。6回に1点を奪ったのは、マートンの右犠飛によるものだった。



