夏だ、ゴメスだ、ホームランだ。阪神マウロ・ゴメス内野手(30)が6回、1カ月ぶりとなる貴重な13号2ランでDeNAを下した。97打席ぶりに味わう快感は、横浜スタジアム左翼席最上段に達する推定130メートル弾。5試合連続打点の4番に率いられ、ロード2カード連続勝ち越し。貯金を今季最大の4にした。2位ヤクルトとは1・5ゲーム差。猛暑の虎が元気だ。
ゴメスは小刻みにジャンプしながら、ベンチ前の列を進んだ。最後に今成がいる。たどり着くとまずは尻をぶつけ、右手は頭の上へ、左手はまっすぐ伸ばして左足だけで立つポーズ。ネット動画で話題になったヌンチャク球児の決めポーズのようにも見えたが、息のあった決めポーズの詳細は「練習はしていないよ」とニヤリ。だが、待ちに待った新ネタのお披露目に違いなかった。
1カ月前の7月9日中日戦以来、97打席ぶりの13号2ラン。場面は1点リードの6回1死一塁だった。「しっかり捉えられたと思う。早く追加点が欲しい展開だったし、いい場面で1本打つことができたよ!」。
今季初勝利を目指す岩崎が、淡々とイニングを重ねていた。それでも打線は、3回以降無安打で援護はわずかに1点。自然と左腕に重圧がズシリ…。突破口が開いた3番福留の中前打を目の前で見た。やってきた仕事の時。モスコーソの3球目、行く先は左翼スタンド上の看板付近だ。あと2メートル高ければ場外に消えただろう推定130メートル弾が、今季最多の貯金4をもたらした。
今年のゴメスは夏に強い。どでかいアーチこそ久しぶりだが、8月は打率3割8分7厘と絶好調だ。その裏には長期ロード前、甲子園で行ったベルトコンベヤーのような調整法がある。ヤクルト3連戦(7月31日~今月2日)の試合前練習では、普段より約30分早く炎天下のグラウンドに飛び出した。
暑さ対策の点では、逆行しているように見える早出練習。だが、球団トレーナーは「守備、打撃、トレーニングをコンパクトかつ、テキパキとやる意図があるんです」と説明する。場所を転々としながら、地味なチューブトレや、外野でのダッシュなどを従来通りの質で取り組んだ。メニュー間は日よけ場所で直射日光を避ける。打撃練習はチーム全体が1人8分から、6分へ短縮していた。複数のメニューを手際よくこなす逆転の発想で、ゴメスは体重と体のキレを維持した。
これで連続試合打点は5試合に伸びた。和田監督も「4番が決めるとね。状態が上がった中での1発だった。これからも効果的な1発を打ってほしい」と絶大の信頼を置く。ゴメスも「打点を続けられるようにしたい。それが一番大事なことだから」と腕を回した。首位固めへ、今の4番に死角は見えない。【松本航】
▼ゴメスの本塁打は、7月9日中日戦(甲子園)以来。22試合ぶり、97打席ぶりとも来日後最大ブランクを経た1発となった。これでチームは長期ロード突入後、広島戦●○○に続き2カード連続勝ち越し。13年の3カード連続(巨人戦○●○、広島戦●○○、中日戦●○○)以来、和田政権では2年ぶり2度目。
◆ヌンチャク球児 今年の全国高校野球選手権埼玉大会で代打出場した球児が打席で披露したパフォーマンスが動画サイトで注目され、全米でも話題になった。バットをヌンチャクのように回転させたり、ジャグリングのようにバットを投げてキャッチしたり。決めポーズなど多彩な動きを見せた。



