クールな顔がほころんだ。先発5番手に入った阪神岩崎優投手(24)が、あれよあれよの自身3連勝! 1点先行してもらった後の2回、押し出し四球で崩れかけたが、踏ん張った。中5日登板も不安なしを証明する7回4安打2失点。2年目左腕が頼れる存在になってきた。
ギリギリで岩崎は踏みとどまった。先制点をもらった直後の2回1死満塁。ピンチを招き、8番高城に同点となる押し出し四球…。このまま自滅モードに入ってしまうのか。弱気の虫を振り払う。マウンド上で心を整えた。
「藤井さんがすごく励ましてくれて。自分も少し気持ちが引いてしまった部分もあったんですけど、藤井さんの一言で、打者と勝負することができました」
冷静になると、女房役の言葉がよみがえった。直前の2回無死一、二塁でバルディリスに死球をあたえた後、マウンドに内野手が集まった。「ボールはきているぞ。どんどんこい」。藤井からハッパを掛けられた。投球フォームとマウンドの感覚がなかなか一致しない。もどかしい投球の中、ベテランの声に導かれた。後続を断ち、押し出しの最少失点で切り抜け味方の援護を待った。
祖母が念願していた2体目のトラッキー人形だ。今季初めてホーム試合でお立ち台に立った。トラッキー人形を手に「優勝目指して1つ1つ勝っていけるように頑張ります」と笑顔で宣言。京セラドーム大阪には虎党の岩崎コールが響く。静岡の実家で、孫の姿をテレビで見守った祖母政子さん(78)も手を叩いた。
ルーキーイヤーの昨年、京セラドーム大阪でプロ初登板初先発初勝利を挙げた時にもらった記念のトラッキー人形は、家族の宝物として実家の玄関に大切に飾られている。毎日、目にしている祖母から「私も欲しいな」とリクエストを受けた。いつも応援してくれる存在。波に乗りだした岩崎は、約束通り祖母だけの人形をゲット。感謝の気持ちがこもったプレゼントだ。
「自分自身、1つも負けられないと思っているので。まだ2つ借金がある。その借金を返していけるように、次の投球に向けて切り替えて頑張ります」
5勝を挙げた1年目もなかった自身3連勝。和田監督は「今日以外も、何試合かは岩崎らしい投球ができていた。本当にしっかり試合を作ってくれて勝ちを取れた」と評価した。先発4本柱に続く、柱がまた太くなった。【宮崎えり子】



