楽観ムードなどみじんもなかった。大勝した後、阪神和田豊監督(53)は表情を緩めることなく振り返った。

 「やっぱり、ゴメスが打つとビッグイニングができるな。それがなかなかできなかったから1点、2点という取り方だった。あとはもう少し、打球が上がり始めれば本来のものに近づいてくるだろうけど」

 最大の懸念だった主砲が復活の兆しを見せての3連勝。ただ、これで大丈夫という見方にはくぎを刺した。さらに4本柱の1人、先発能見にも注文をつけた。

 「7、8点あったわけだから、7回まではしっかり投げてほしかったけど…」

 次カードは甲子園での巨人3連戦。昨季も同時期にあった3連戦で3連敗してとどめを刺された勝負どころ。まさに今季最初の天王山だ。それだけにカード勝ち越しだけでは満足できない。次の一戦を見据える指揮官の視線は厳しかった。

 「2つ取れたことで、明日がより大事になってくるからね。しっかりと戦って甲子園に帰れるようにやっていきます」

 これで監督通算267勝で球団歴代7位の金田正泰監督に並んだが、今は一戦必勝あるのみ。1つも落とさず本拠地での大一番へ。勝ってかぶとの緒を締めた指揮官の口調からは強い意志がうかがえた。【鈴木忠平】