阪神藤浪晋太郎投手(21)も勝利への執念をみせた。7回3失点での粘投。リーグ単独トップの13勝目とはいかなかったが、攻撃面でも3回に左前安打を放ち、走ってもスライディングで先制に絡んだ。4回に自らの一塁悪送球の失策で同点を許した。7回には巨人阿部に痛恨の1発を浴びてしまったが、この悔しさは次回晴らしてくれるはずだ。

 歓喜のウオーターシャワーに藤浪は加わった。こだわり続けたチームの勝利。最後は笑顔だった。

 「本当に助けてもらいました。自分の情けない投球をカバーしてもらいました。野手の方々に感謝です」

 投げては悔しさの連続だった。1-1の同点で迎えた7回2死一塁、4番阿部。フルカウントから153キロ直球が真ん中に吸い込まれた。「真っすぐを張られているのは分かっていた。力で押し切りたかったんですが、もっと厳しいところに投げきれませんでした」。ライナー性の打球は、右翼スタンドへ消えた。勝ち越しの2ラン被弾。藤浪は両膝に置いた手が動かせず、右翼席を見つめ続けた。

 感情をあらわにするシーンもあった。4回、ベンチに戻るときだ。帽子で右太ももをたたきつけた。口は激しく動いた。1点リードして迎えた、そのイニング。2死一、三塁から内角155キロ直球で打ち取った小林の打球は、藤浪の前へ転がった。本塁へのトスも頭に入れながら一塁送球。上半身と下半身の動きがかみ合わず、送球が大きく浮いた。試合を振り出しに戻し「非常にもったいなかった。中途半端なプレーになった」と悔やんだ。

 7回を6安打4四球3失点。7回裏に味方が同点とし黒星はつかなかった。自身の甲子園連勝は6のままキープ。3回の攻撃では、自身で左前打を放ち先制点を演出した。鳥谷の二ゴロでは二塁へ懸命にスライディング。併殺を阻止し、天敵マイコラスから先制点をもぎ取った。藤浪の左膝と左太もも裏にはこの日の午前中まで降っていた雨を含んだ甲子園の土がベッタリ。勝利への執念を見せた。

 ただ、納得はしていない。虎の大黒柱に成長した21歳は反省の言葉を並べた。「勝って反省できるのは、すごく幸せなこと。次は野手の皆さんに恩返しできるように、自分が引っ張っていけるように頑張りたい」。次回は中5日で15日中日戦に向かう見込み。すぐさま自分自身にムチを入れた。