巨人原辰徳監督(57)が「10月決着」のシナリオを描いた。阪神との2連戦は1勝1敗。残り16試合で首位ヤクルトとの2ゲーム差をひっくり返す。11日、帰京の新幹線を待つ待合室で「暑いね。窓を開けようか」と促し、うなずきながら、低い声でつないでいった。

 原監督 もちろん、10月まで持ち込む。1日でも長く。緊張感を持って戦えることを、我々は意気に感じなくてはいけない。

 プロに必要な資質の優先順位を「技・体・心」と位置づけている。この順番を変える。

 原監督 ここまできたら技術だとか読みより、集中、気持ちが大切。ここで力を発揮できないのであれば、プロとしての能力が足りないことになる。チーム打率やチーム防御率は、もう大きく上下しない。1打席にどれだけ集中できるか。その積み重ね、1人なら4打席、チームで三十数打席の積み重ねだ。

 動じない理由がある。08年、9月11日から12連勝して、阪神を差し切った。今2連戦では阿部が連発し、沢村が2日続けて2イニング登板。ペナントレースのもつれと比例し、面々の状態が「遅ればせながら」上がってきた感触がある。

 原監督 経験が生きてくる。キャリアのある選手が力を出す。

 先発陣のブルペン待機など、スクランブル態勢を敷くことは「“まだ”考えていない」。本当のムチはとっておく。まずは今季最も強い言葉で、心のリミッターを解放した。勝負を満喫し、10月の3試合で決める。【宮下敬至】

 ◆08年巨人逆転V 08年は阪神が開幕5連勝、巨人は開幕5連敗でスタート。巨人は7月9日時点で首位阪神から13ゲーム差をつけられていた。8月終了時でもまだ6ゲーム差あり、巨人が阪神に追いついたのは131試合目の9月21日。両チームが勝率5割8分9厘で並んだ。その後も巨人は単独首位には立てず、残り4試合の10月7日時点で巨人と阪神が同率首位だったが、翌8日の直接対決に勝って141試合目で初めて単独首位に。M2で迎えた10日、阪神が横浜に敗れ、巨人がヤクルトを下しプロ野球史上最大の13ゲーム差逆転Vを達成した。