エースが抑え、中軸が打って、広島が連敗を止めた。新井貴浩内野手(38)が5回、連続無得点を31回で止める同点打を放つと、ブラッド・エルドレッド内野手(35)が左翼フェンス直撃の勝ち越し適時打。4試合、32イニングぶりの得点を中6日で先発したエース前田健太投手(27)が守った。逆転の口火を切ったのも前田の激走二塁打。3位阪神に再び2・5ゲーム差に詰め寄った。
4試合ぶりに得点時に奏でられる「宮島さん」が響き渡った。新井は「何とかしたい。何とか走者を帰したい。その一心」でバットを伸ばした。決して会心ではない当たりは気持ちが乗り移ったように三遊間を抜けた。二塁走者の前田が本塁生還。スコアボードにともった「1」が、チームの流れを変えた。
緒方監督 新井が連続無得点という重苦しい空気に突破口を開いてくれた。
23日ヤクルト戦から続いた連続無得点を、この日も抜け出せない。序盤、阪神岩田の前に凡打の山を築いた。2打席凡退した新井は「球自体が良かったので、そんなにチャンスはないと思っていた」振り返る。
連続無得点が31イニングに伸びて迎えた5回だ。1死から前田が低めの球を2球ファウルで粘り、4球目を左翼へ二塁打。貧打の中、好機をつくったのは打者・前田だった。
新井 いろんなことを考えて打席に入ってもいいことはない。余計なことは考えずに何とかしたいと思って入った。
野手が奮起しなければいけない場面でも、あくまで冷静だった。2死一、二塁となり、無心で放った同点打が負の記録に終止符を打った。ベテランの一打が眠っていた大砲も目覚めさせた。4回の二ゴロまで16打席連続無安打の4番エルドレッドが低めの球を拾い、左翼フェンスを直撃する勝ち越し打で続いた。9月上旬は本塁打を量産していた助っ人の急激な不振が得点力低下の一因となった。「状態は悪くなかった。いつか(結果は)出るだろうと思っていた」。復調に自信をのぞかせる。
投打に主軸が活躍し、連敗を止めた。3位阪神に再び2・5ゲーム差となった。緒方監督は試合後「また明日」と気持ちを切り替え、足早に球場を後にした。広島の明日なき戦いは、まだ続いていく。【前原淳】



