おとこ気好投で広島が3連勝だ。広島黒田博樹投手(40)が、DeNA打線を相手に8回4安打無四球1失点の熱投で日米での6年連続2桁勝利をマークした。立ち上がりに1点を失ったが、2回以降はDeNA打線の打ち気を逆手に取る投球で手玉に取った。2度続いた中4日登板を8回102球の省エネ投球でしのいだ。チームは3連勝で3位阪神に食らいつく。

 8回裏の102球目。荒波を二ゴロに打ち取りベンチへ引き上げる黒田に、三塁側から左翼席を真っ赤に染めたカープファンからカーテンコールが起こった。2度続いた中4日登板。3度目の挑戦で得た日米での6年連続2桁勝利と、苦境のチームを3連勝に導いた好投に拍手を送った。

 「中4日でマウンドに上がったので、その日の状態ではなく、1人1人いくしかない」。1回、先頭荒波への初球が左中間への二塁打となった。「出ばなをくじかれた。開き直って切り替えていくしかない」。梶谷に適時打を浴びたが冷静さを取戻し、後続を断った。

 2回以降は初球から打ちに来るDeNA打線の積極性を逆手に取った。「ボール球を打たせてゴロをうまく取れた」と狙い通りの投球で、8回まで102球。追い上げを許さなかった。

 手にした10勝目は「区切り」と言うものの「まったく関係ない」と言い切る。前日までに手にした日米通算191個のウイニングボールはまったく手元に残っていない。

 今年得た日本復帰後初勝利の記念球はロッカーに置いたまま。今ではそれがどれか分からない。11日阪神戦で手にした9個目は抑えの中崎に渡した。「サインぐらいもらいに来ると思っていたんですけどね。全然来ない」と笑う。

 10個目の記念球にもこだわりはないが、チームの勝利には誰よりも強い執念を燃やす。

 「誰かがやらないといけない。この時期、痛いとかゆいと言っていられない。1試合でも多く投げるために登板間隔を詰めてもらっている。全力でいきたい」。可能性が残る限り、投げ続ける。

 チームは3連勝。緒方監督は「大したものだ。1年間ローテーションを守るだけでなく、数字でも2桁勝利。素晴らしい」と賛辞を惜しまなかった。おとこ気好投で広島のラストスパートは加速する。【前原淳】

 ▼2月に40歳を迎えた黒田が10勝目。40歳以上のシーズンに2ケタ勝利は、08年山本昌(中日)下柳(阪神)以来7年ぶり6人、9度目。右投手では1リーグ時代の48、49年若林(阪神)90年村田(ロッテ)に次いで3人目で、セ・リーグでは初めて。広島では42歳で9勝を挙げた97年大野を抜き、初の40代2ケタ勝利となった。