解体、再建、改革-。阪神坂井信也オーナー(67=電鉄会長)が13日、新監督にチーム再建を託す思いを初めて公言した。大阪市内の電鉄本社で和田豊監督(53)の退任会見に同席。球団は次期監督としてカリスマOBの金本知憲氏(47)に就任要請し、3度交渉を行った。誕生間近となっている中、虎の総帥は「新しく第1歩を」と大改革の担い手として期待を寄せた。

 金本阪神誕生への期待をひしひしと感じた。4年間、チームを率いた和田監督の退任会見は同時にタイガースにとっての新しいスタートでもあった。会見に同席した坂井オーナーは金本氏という個人名こそ挙げなかったが、初めて新体制の理想像を語った。

 まず、代表質問の中で新監督について問われると「申し訳ないですが、この場で申し上げることは控えさせていただきたいと思います。また、違う機会にお話しさせていただきたいです」と断った上で、新体制の目指すべき方向性について“再建”というキーワードを用いた。

 「熱くタイガースを変えていけるという。フロント私も含めて今まで以上に反省を踏まえながら、チームにかかわっていくと。再建するという言葉が適切なのか。出直すという言葉が適切なのか。1度、つぶしてしまって、新しくつくっていく言葉が適切なのか。新しく第1歩をスタートしていける体制を早くつくりたいと思います」

 また、南球団社長も「今は申し上げられない。明日からです」と前置きした上で、理想とする新監督の人物像についてこう話した。

 「オーナーも言いましたが、チームの雰囲気、ムードを変えたい、ここは一からつくっていくつもりで。来年より再来年、さらにその次とチーム力が上がっていくように。もちろん阪神としては勝負を度外視するわけにはいかないんだけれど。勝ちながら育てる、そう言いながらも腰を据えてやっていかないと。フロントもそういう覚悟を決めてやらないといけない」

 球団トップの口からもやはり「変革」「再建」につながる言葉が出た。終盤の失速で10年連続で優勝を逃した猛虎改革のため、1日にカリスマOBの金本氏に新監督就任を要請した。CS敗退が決まった直後の前日を含めて3度の交渉を行った。3年を基本線に最長5年も視野の長期契約を準備し、ゼロからの改革を託したい誠意を伝えてきた。2人の口から名前こそ出なかったが、求めているのはだれか、会場のだれもが分かっていた。

 金本氏は今週中に返答することを決めており、関係者によれば、慎重だった姿勢は受諾へと傾いているという。現監督の退任とともに、新監督誕生の鼓動が間近に感じられた。

<阪神監督問題経過>

 ◆9月27日 広島に連敗し、優勝が消滅。

 ◆28日 来季新監督をOBの金本知憲氏に要請するよう最終調整に入った。

 ◆30日 球団が、和田監督の今季限りでの退任を正式発表。電鉄本社での坂井オーナーと南社長のトップ会談で金本氏に正式に監督要請することを決定。

 ◆10月1日 南球団社長が金本氏と交渉を持ち、監督就任を要請。

 ◆8日 球団と第2回交渉。金本氏は慎重な姿勢を崩さず返答も見送り。

 ◆12日 チームは巨人に敗れ、CS敗退。今季の全日程が終了した夜、第3回交渉が行われた。