フレー、フレー、フリキレー! 阪神金本知憲新監督(47)が24日、甲子園球場での秋季練習で就任後初めて指導した。ジャージー姿ながら打撃練習では次々と選手に声をかけ、身ぶり手ぶりで助言。最後は6年目の育成・原口文仁捕手(23)に目をとめ「一番振れるんじゃない?」と称賛した。打者に求めることは力強いスイング。金本イズムを示す視察初日だった。
金本監督が黒のジャージー姿で現れると緊張感に包まれた。就任後、初めての秋季練習視察。指揮官が動きだしたのは打撃練習が始まってからだった。
大和、上本を中心に狩野、岡崎ら多くの選手に積極的に声をかけたが、身ぶり手ぶりも交えて、最も熱心に指導したのは育成選手の原口だった。たくましい体で力強いスイングをする23歳の打撃練習を見守ると、練習終了後、マンツーマンで助言を送った。
「コーチから、おもしろいとは聞いていたけど。一番振れるんじゃないかな。もしかしたら、江越より振れるんじゃない? ただ、練習しか見ていないから。試合になって、みないと正直わからないから。まあ、でも、楽しみな選手。うちにはいないタイプ」
原口は09年にドラフト6位で入団したが、1軍出場はなし。故障もあって3年目の12年オフに育成契約となった。以来、3年間、育成選手としてプレーしている。
金本監督が最初に目をつけたのが、これまで目立った活躍のない原口だったことに周囲は驚いたが、金本監督が打者に求めるものは一貫している。強く振れ-。就任会見で江越、横田、陽川の名前を出したが、原口もそこに加わった。
「生え抜きで岡田さん以来、30本(本塁打を)打った選手いないんだから。右も、左も、85年以来、だれもいないんだよ。球団としては異常とも言えるんじゃないかな。広いというのもあるけど、92年までラッキーゾーンあったからね」
85年の掛布、岡田以来、出ていない生え抜きの大砲を育てる。チーム改革を託された金本監督はそれを1つの大きな命題としているようだ。ドラフト会議でも明大・高山俊外野手(22)の長打力を見抜き、1位指名して、引き当てた。
「変えていかないと。選手の質も。変えるというのを任されているわけですから。便利のいい選手も必要だけど…。練習スタイルも。打撃練習も最初の何本か右にぐしゃっと打つ。それでは意味がない」
ヒットの可能性がない右打ちはいらない。強い打球を打て-。その野球スタイルを選手たちに伝えていた。練習視察初日から、自らが求める選手像、野球を、その言動で金本監督は明確に打ち出した。【鈴木忠平】
◆原口文仁(はらぐち・ふみひと)1992年(平4)3月3日、埼玉県生まれ。帝京で甲子園出場。09年ドラフト6位で阪神入団。腰の故障の影響もあり12年オフに育成契約。捕手、一塁、三塁。今季は2軍戦で59試合で4本塁打、11打点、打率2割2分。182センチ、86キロ。右投げ右打ち。



