赤ヘル野球を知る男が広島に帰ってきた。来季から1軍外野守備走塁コーチに就任する河田雄祐氏(47)が27日、マツダスタジアムで会見に臨んだ。その席で潜在能力の高い選手がそろう外野守備の改革と走塁改革を宣言。選手とコミュニケーションを取りながら技術向上を目指し、1学年下の指揮官とも連係を図る。20年間着た青いユニホームから赤い背番号74のユニホームに袖を通し、緒方広島に新しい血を注入する。
20年ぶりに広島に帰ってきた河田コーチは、意欲に満ちあふれていた。西武で13年間、コーチとして培ってきたすべてを惜しみなく出し尽くす覚悟でいる。個人名を挙げながら、ときに感情を高ぶらせ、すでに頭に描いたビジョンを語った。
「丸であり、野間であり、鈴木誠であり、秋は技術力を高めていかないと。ただ多い、繰り返すだけの練習では技術は上がらない。まずは何とか守備のレベルを高くしたい。西武時代に交流戦をやっていて寂しく感じた。それが僕の使命だと思っています」
外野が本職の守備走塁コーチは、広島では12年以来。緒方現監督以来となる。スペシャリストゆえ修正点も明確だ。「12球団どこもそうだけど、後ろの打球は捕るんだよ。練習しているから。どうしても前の打球を捕れない」。外野を越える打球は失点に直結するため、練習によって後方の打球判断は向上。一方で後方への警戒心によって前進する判断が遅くなる傾向にあると指摘する。投手にとって打ち取った打球が安打となるとダメージが残る。「一番は判断力。それを秋季キャンプで何とか伝えていきたい」。2年連続ゴールデングラブ賞の丸も例外ではない。「生かし切っていないところがある」と伸びしろを感じている。
今日28日から合流する秋季練習、秋季キャンプから意識改革に入る。すでにスコアラーにセ・リーグ5球団の状況別打球方向のデータを収集。21年ぶりとなるセ・リーグの戦いへ向け準備を進めている。
走塁改革にも着手する。「ひとつ前の塁を狙うというのは当たり前。そういうのは意識1つだと思うので、そういう意識を植え付けられれば」。強化指定には主力の菊池と丸の名前を挙げた。押し付ける指導ではなく、選手とのコミュニケーションを重んじる。性格、タイプによって変わる指導法。赤ヘル野球を知る新コーチが来季の機動力野球を加速させる。【前原淳】
◆河田雄祐(かわだ・ゆうすけ)1967年(昭42)12月22日、東京都生まれ。帝京から85年ドラフト3位で広島に入団。95年オフに西武へ移籍し02年引退。通算574試合、137安打、6本塁打、50打点、打率2割2分3厘、53盗塁。引退後は西武で2軍打撃コーチ補佐、1軍外野守備走塁コーチなどを歴任。175センチ、70キロ、右投げ左打ち。



