「今江先生」が、夢と希望を与え続ける。ロッテからFAで楽天に入団した今江敏晃内野手(32)が15日、福島・いわき市を訪れ、小中学生と野球教室などで触れ合った。磐崎中でのトークショーでは、生徒たちの相談に熱血アドバイス。楽天の一員として初めての被災地訪問で、新天地での活躍を誓った。

 5年連続の訪問でも、重みが違った。楽天のジャンパーを着て今江が登場すると、手づくりの旗が振られ、吹奏楽部による応援歌の演奏で大歓迎を受けた。「東北には縁がある。ロッテで来たときとは気持ちも違った。距離も近づいたと思う」。感激した表情で、恩返しのスタートを切った。

 子どもたちの不安を振り払いたかった。磐崎中の女子生徒から「苦手なことを、どうやって克服したのですか」と打ち明けられると、「今江先生」が立ち上がった。「自分は体育以外は苦手だった(笑い)。苦手を隠すんじゃなくて、先生や得意な人に打ち明けてみて。気持ちが楽になって、すごくいい方向に進めると思うよ」。冗談や自らの体験談を交えながら、親身になって答えた。

 元気をもらった「お返し」だった。震災の起きた11年から継続している活動の中で出会った子どもたちから、ケガで苦しんだ時期にメッセージが届いた。「本当に励ましてもらった。絆が生まれたんだな、と思った」。感謝の思いを、真っすぐに伝えたかった。

 いわき市でのホームゲーム開催も約束した。来季の日程には組み込まれなかったが「来年、僕が活躍して、いわきで1軍の試合ができるようにしたい」と言った。同席した球団関係者も、前向きに検討する意向を示した。楽天の今江が、東北に希望の光をもたらし続ける。【鹿野雄太】