千両役者だ!! 広島新井貴浩内野手(39)が代打逆転満塁本塁打を放った。昨年日本一のソフトバンクから試合の流れを完全にたぐり寄せる1発で、オープン戦首位タイ浮上に導いた。最近4試合で3本塁打と長距離砲としての感覚が研ぎ澄まされてきた。開幕まで1週間を切り、桜前線とともに、主砲の状態も上がってきた。
役者が違う。代打新井のバットが広島に流れを呼び込んだ。3点ビハインドの7回。無死満塁から内角低めの球を拾い上げ、左翼ポール際のスタンド中段まで運んだ。広島ファンの歓声を浴びながらダイヤモンドを1周する主役も納得の笑顔だった。
「満塁だったし、ひと振りで決められてよかった。開幕も近づいているので、引き続きいい内容になるようにしたい」
言葉通り、ひと振りだった。見逃しストライク、ボールでカウントは1-1。左腕森福の低めスライダーに反応した。主砲の逆転満塁弾に、打線も活気づき、9回にも5連打などで4点を追加した。
一塁の定位置を確保する今季は、あと29本とする通算2000安打がかかる。長丁場のペナントレースではベテランを休ませる試合もあり、緒方監督は「シーズンを見据えて戦っている」と、この日は3試合ぶりに先発から外した。だが、先発から外れても主役級の働き。「さすが新井さん。シーズンも頼むよ」と最敬礼だ。
14日のセ・リーグファンミーティングで阪神金本監督から「新井? まだ現役ですか?」といじられてから火がついたように打ちまくっている。15日以降4戦3発。昨季は7本塁打に終わるも、今年からグリップエンドに小指をかけてヘッドの重さを利かせる打撃に取り組み、長距離砲としての感覚が戻ってきた。「少しずつ手応えはある。(打球に)角度がついてきている」。この日、福岡では桜の開花が観測された。広島の主砲は、開幕を前に早くも満開だ。【前原淳】



