東北でうれしい初勝利だ。西武のドラフト1位ルーキー多和田真三郎投手(23=富士大)が26日、イースタン・リーグ楽天戦(コボスタ宮城)に先発。最速145キロの直球と変化球を力強く投げ込み、6回6安打1失点の粘投でプロ初勝利を挙げた。右肩痛の影響で今月9日に富士大時代の15年5月以来の実戦復帰を果たしたばかり。復帰後3試合目で投球数は106球と順調に球数を増やし、1軍昇格へじっくりアピールをする。
多和田は地面と一体化していた。マウンドで振りかぶり、左足を思い切りつく。ぐにゃりと曲がった左膝は腹につき、右足は地面と水平となりベッタリと土がつく。下半身が沈み、まるで根が生えたような投球フォームで楽天打線をねじふせた。この日最速145キロの直球で押し込めば、スライダーでタイミングを外す。「自分の思った通りにはいっていない。まだベストの時からは60%くらいです」と話すが、迫力十分の内容だった。
順調に回復のステップを歩む。富士大時代の15年5月に右肩痛を発症。投球を控えざるを得なかった。実戦マウンドに再び立ったのは約1年後の4月9日のイースタン・リーグ、ヤクルト戦(西武第2)。「久しぶりにバッター相手に真剣勝負出来る楽しさがありました」と実戦勘を取り戻しながら、3回2安打無失点の好投を見せていた。
復調は球数となって表れた。復帰3戦目。当初は5回で降板する可能性もあった。しかし西武横田久則2軍監督(48)は「6回に入る時の球を見たかった」と5回までで93球だったこともあり、続投を決定。楽天内田に右前打を許すも後続を併殺に打ち取るなど13球で締め、6回106球でマウンドを降りた。復帰初戦では50球、2戦目では70球を目安に取り組み、ついに球数は大台を突破。多和田は「順調に来ていると思います」と手応えを口にした。
今後は焦らずに1軍を目指す。西武横田2軍監督は「100球超えをさせて問題なければ、1週間に1回100前後で投げてもらいたい。中途半端では上げない」とファームでの先発ローテ定着を求めた。多和田も東北での初勝利を「うれしい」と喜びながらも「細かいコントロールと低めに強い球を投げたい」と課題を口にした。焦らず、じっくりと。地に根を張るように大きく育つ。【島根純】



