人生初のタイトル独占だ。ヤクルト山田哲人内野手(23)が3安打4打点を挙げ、打撃タイトル6部門でリーグトップに躍り出た。1回に逆転3ランを放つと、4回と6回にも左前打。打率を3割3分6厘に上げて巨人坂本を抜き去った。すでに独走していた打点を63、本塁打も25に伸ばし、加えて出塁率、安打数、盗塁でも1位に立った。
3冠どころか、一気に6冠だ。1点を先制された直後の1回1死一、二塁。山田はカウント2-2から低め141キロをグインとすくい上げた。ぐんぐん伸びた打球は左翼席上段へスタンドイン。推定130メートルの特大3ランで逆転に成功した。「(今季)一番いい打球だったと思う。すごく満足した打席でした」。珍しく「完璧」とまで言った25号弾だった。
今季2度目の3試合連発。4回2死三塁では左前適時打、6回にも左前打をマークした。ここ2試合で8打席連続出塁、5打数連続安打と快音を鳴らし、打率は3割3分6厘まで上昇。前夜は巨人坂本と競い合い、わずか数分の天下で2位に転落したが、正真正銘の単独1位に立った。
休養が効いた。交流戦終了時は「足だったり腰だったり頭だったり。全部」が疲労困憊(こんぱい)だった。リーグ戦再開まで4日間のインターバルを経て「体のキレが戻ったかな」。シーズン中、まとまった休みはなかなか取れない。ただ試合がないことが、何よりのリフレッシュだった。
「4番」の仕事が相乗効果を生んだ。畠山の離脱に伴い、14日から4番に座る。「打点を挙げて、チームに勢いが付くことが自分の好調にもつながる。理想の打線だと思います」。山田につなぐ意識が、今季最多の20安打13得点をたたき出した。課題だった得点圏打率も3割台に突入した。
打点、本塁打に加えて出塁率もトップで、安打数と盗塁は1位タイ。記録には相変わらず「意識してない」と無関心だが、杉村チーフ打撃コーチは「7、8月は彼の季節になる。頼もしいね。とんでもない記録をつくりそうだね」。2年連続のトリプルスリーも狙える新4番の、さらなる進化を予感した。【鎌田良美】



