プレーバック日刊スポーツ! 過去の12月15日付紙面を振り返ります。2004年の3面(東京版)は萩本欽一が野球クラブチーム発足すると報じています。
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タレント萩本欽一(63)が野球界の人気回復のためひと肌脱ぐことになった。関東地区を拠点にしたクラブチームを発足することが14日、明らかになった。萩本氏が監督を務め、元巨人ヘッドコーチの鹿取義隆氏(47)をヘッドコーチに招聘(しょうへい)。選手は、来年1月にトライアウトを実施して集める。萩本監督は「グラウンドで笑いと感動のあるドラマを見せたい」とやる気満々。3月下旬の春季大会で公式戦デビューし、5月の都市対抗予選に出場する予定だ。
お笑い界の大御所が、アマ球界に殴り込みをかける。芸能界きっての野球ファンで知られる欽ちゃんが、観戦だけに飽きたらず、ついに自分で野球チームをつくることになった。草野球ではない。れっきとしたクラブチームとして日本野球連盟に登録し、都市対抗野球出場を目指すという。野球人気低迷を懸念してのことだった。
「今年のプロ野球を見ていると、数字(視聴率)が下がったとか暗い話題ばかり。長嶋さんという華をテレビで見られないのもさびしいよね。長嶋さんが帰ってくるまでにぎやかにしたい、というのがチームをつくろうと思ったきっかけだね」。
グラウンドは現在、複数の自治体と交渉中だが、関東圏内に本拠地を置いて活動する予定で話が進んでいる。また、本格的な野球経験のない萩本監督を支えるスタッフには豪華な顔ぶれがそろった。ヘッドコーチには元巨人の鹿取氏が就任する。GMにはコピーライターの糸井重里氏が候補に挙がっている。その他、プロのコーチ経験者数人にも入閣を要請中だ。萩本監督は「技術面は分からないから、コーチにしっかり鍛えてもらいますよ。僕はお客さんに『ありがとう』を伝えるパフォーマンスを演技指導したい。試合中は、キャッチャーならベンチに引き揚げる前に1度スタンドに顔を向けるとか、凡退した打者も下を向くのではなく、上を向いて帰るとか、お客さんにお尻ばかり向けないようにしたいね」。
斬新なアイデアが次々とわき上がってくる。ゆくゆくは試合前の練習で1時間ギャグのパフォーマンスをやったり、試合後にクラシックの演奏会を開くことも検討しているという。かつて人気番組「欽ちゃんのどこまでやるの!」の出演者たちに、独特のひらめきとセンスでアドバイスを送り、数々のスターを生み出した手腕を野球界でも発揮するつもりだ。
肝心の選手についても、しっかりしたビジョンがある。来年1月にトライアウトを行い約20人を採用する。すでに今年11月の明治神宮大会や、オフの今月に入ってからもプロ野球OBで構成されるマスターズリーグに自ら足を運び、目に留まった選手には入部を直接要請しているという。プロを自由契約になった選手(規約により3人まで入部可能)や、女子野球の日本代表メンバー2、3人も入部予定。まさに社会人野球版「欽ちゃんファミリー」の旗揚げだ。
「年明けには動きますよ。グラウンドの近くに引っ越して、毎日でも練習には出るつもり」と意欲満々。来年の目標は都市対抗出場だ。「(シダックス)野村さん(克也GM兼監督=69)に勝ちたいね。それも、東京ドームの決勝で。最近の社会人野球を見ていると野村さんばかりが目立つ。どの世界でもライバルがいないとダメ。そういう存在になれるよう頑張ります」。熱く語る欽ちゃんの野球へのチャレンジ精神は、どこまでも本気だ。
◆欽ちゃんと野球 中学時代まで野球部に所属。主に7番ライトだった。芸能界に入ってからは、8月に開催される全国高等学校定時制通信制軟式野球大会を「もう1つの甲子園」として番組で取り上げ、ライフワークで応援する。外野席でプロ野球観戦することもあるなど、野球好きは有名。
98年にはオリックスの沖縄・宮古島キャンプ視察に訪れ、イチロー(現マリナーズ)と対面。「イチロー君に日の丸を揚げてほしいよ。日本の名誉のために頑張ってほしいよね」と五輪出場を熱望するとともに、すっかりイチローのファンに。イチローがマ軍入りした01年には約130試合をテレビ観戦した。翌02年にはマリナーズの本拠地を訪れ、イチロー、長谷川、佐々木(現横浜)を激励。スタンドで開幕第2戦を観戦した。「球場全体に一体感がある。ファンが選手を育てるというのを感じたし、ある意味で芸能の世界とも共通する部分があるかもしれない」と、初のメジャー生試合に興奮を隠せなかった。
※記録と表記は当時のもの



