今季開幕投手を務めたDeNA石田がリベンジに成功した。ヤクルトとの開幕戦で6回3失点と黒星を喫した同じ状況で、6回5安打無失点に抑えた。「この雰囲気を味わうためにやってきた」とかみしめた。

 法大時代に19勝を挙げた慣れ親しんだ球場で、プロ入り後は白星から見放されてきた。クールな男が「勝ちたいという気持ちは強い」と言葉に出して臨んだ。最速145キロの直球を見せ球に、変化球で仕留める。前日23日に3安打2打点と当たっている坂口には攻め方を変えた。5回2死二、三塁のピンチに内を見せて最後は外の直球。見逃し三振で切り抜けた。

 6回を7奪三振、無四球の内容に「コントロールだけは自信を持っている。全試合無四球で、今日の試合が当たり前になるようにしたい」と胸を張った。

 4月22日の中日戦で今季初勝利を挙げた直後に、左肘違和感で戦線離脱した。筒香から「けがだけじゃなくメンタルも100%にして戻ってこい」とハッパをかけられていた。「本当に落ちるのは一瞬。落ちてからはい上がるのは難しかった。このメンタルを1日でも長く続けたい」と話した。チームの連敗を2で止め、投手の柱としての存在感を取り戻した。【栗田成芳】