まさに攻めの継投だった。ソフトバンク工藤公康監督(54)が、7投手をつぎ込み首位楽天に10-9の1点差で競り勝った。8回1死一、二塁のピンチでは、今季初めて8回から守護神デニス・サファテ投手(36)を回またぎで投入。1点差でベンチに残った投手は岩崎だけという捨て身の采配で、再び0・5ゲーム差に迫った。今日2日に勝っても試合数の関係でマイナス0・5差となり首位奪回とはいかないが、直接対決で連勝を狙う。

 工藤監督は迷わずベンチを出た。1点リードの8回、1死一、二塁のピンチで「ピッチャー、サファテ」と交代を告げた。ベンチに残る投手は岩崎だけ。同点に追いつかれれば、延長は12回まで考えなければならない。「(岩崎にアクシデントが起こった場合の)野手の登板なんて考えないよ」。指揮官は延長ではなく9回で1点リードを守りきる勝負の采配に出た。

 右の今江まで打順がまわったらサファテを投入することを決めていた。6球目にワンバウンドを捕手・甲斐がはじいたが、その隙に三塁を狙った二塁走者岡島を甲斐が自慢の強肩で刺し2死。サファテは「(甲斐)拓也が刺してくれたのが大きかった。ああいうのがあれば、しっかり低めに投げられる」と、続けて7球目もフォークを投げ今江から空振り三振を奪い、窮地を切り抜けた。

 サファテは今季初めての回またぎとなる9回も3人でピシャリ。楽天松井裕に並ぶリーグトップタイの23セーブ目を挙げた36歳の絶対的守護神は「アドレナリンが出た。楽しかった。いつもは嫌だね。年もいっているんで」と笑った。

 9イニングでは今季チーム最長の4時間26分で勝利をつかんだ工藤監督は「疲れた。何より勝ってよかった」と安堵(あんど)の表情で球場から出てきた。背中の張りのため約1カ月ぶりの先発マウンドとなった千賀が4失点。工藤監督は「しっかりバランスが取れていない。前回もそれで崩れて(背中を)悪くしているので」と大事を取り4回で交代させた。5回には打線がデスパイネの来日初の満塁弾などで今季初の1イニング7得点で5点差に広げたが、楽天打線も勢いがあった。5回には3投手をつぎ込んだ。7回2死一、三塁でペゲーロには4連投となる左の嘉弥真を投入し空振り三振に仕留めるなど、早め早めの継投策を続けて逃げ切った。ソフトバンクには頼もしいリリーフ陣がいる。【石橋隆雄】