若虎よ、タイマン勝負で大きく育て!! 金本阪神が24日、3年目の来季に向けて甲子園で秋季練習を開始した。新たな首脳陣も始動。金本監督の右腕として、片岡篤史ヘッド兼打撃コーチ(48)は厳しく競わせる方針を打ち出した。来季優勝と将来の常勝軍団作りへ、和製大砲育成は大きな課題。今季20本塁打した7年目中谷将大外野手(24)と、7本塁打したドラフト1位大山悠輔内野手(22)に、40分の特打でコンビを組ませ競争をあおった。
「4番への道」で激しく火花が散った。CSでの屈辱的な敗退から1週間。秋季練習初日から厳しさを前面に押し出した。鬼の金本イズムが鮮明に表れたのはランチ後の昼下がりだ。2つの打撃ケージで進境著しい中谷と大山が打ち続ける。お互いの姿が視界に入るよう、仕向けたのは片岡コーチだ。今オフ、打撃部門からヘッドコーチも兼任。金本監督の右腕として、自覚十分に意図を説明する。
「中谷はシーズン通して20本塁打を打った。CSでは大山が活躍したけど、中谷は1打席しか立っていない。ライバルというかね。ああいう風に打たせて、競争意識をね。みんなが試合には出られないんだから」
まるで今後の4番を競う構図だ。中谷は長打力が開花し、本塁打数はチーム最多。だが、最終盤に自らの形を見失い、100安打に1本届かず。CSもわずか1打席の三振に倒れ、蚊帳の外。悔しさが募った。この日もノーステップ打法や球の見極めなど、打撃フォームの見直しに専念した。
大山は6月中旬から1軍に定着して7本塁打。CSは打率5割3分8厘だった。来季優勝するためにも若き4番の誕生は欠かせない。早速、初日から和製大砲を育てるプロジェクトを発動した。かつて巨人の王、長嶋が黄金期を築いたように、大山と中谷のライバル視させ「ON砲」を結成できれば常勝軍団に近づく。
金本体制3年目の来季も生え抜きの若手強化を進める。片岡コーチも「去年、今年と新しい選手が出てきた。もう1ランク、2ランク、レベルアップさせたい。監督の考えも浸透している」と話す。昨季、活躍した高山、北條らが伸び悩めば、今年は中谷らがブレーク。好素材がひしめく若虎への期待感がにじむ。
今季、片岡コーチは幾度となく指揮官に選手起用を進言し、的中させた。用兵の的確さも買われ、新たにかじ取り役を任される。秋季練習では逆方向への打撃もテーマの1つ。新参謀は言う。「短期決戦は速い球を打てるか。CSを見てもガンガン引っ張れる球は来ない」。悪夢を教訓に逆方向への強打も徹底させる方針だ。頂点に立つ挑戦は始まっている。【酒井俊作】



