先発陣の負の連鎖を止める。初の開幕投手が決定的とみられる広島野村祐輔投手(28)が、明日23日のソフトバンク戦でオープン戦最後の登板を予定。21日はオリックス戦(マツダスタジアム)が雨天中止となり、室内で調整した。昨年の先発10勝トリオである大瀬良、薮田、岡田がこのところ精彩を欠く内容。1軍投手陣では日本人最年長である野村が、前回に続く好投で悪い流れを食い止める。

 野村がビシッと締めて開幕へ向かう。前回16日ヤクルト戦は6回無失点。内容に結果が伴う投球で、初の大役へ順調な仕上がりを見せた。オープン戦最後の3連戦は昨季の日本一、ソフトバンクが相手。リハーサルには申し分ない。

 「すごくいいチームだし、しっかり投げられたら。前回は修正できた。これが最低限のラインになるように、もっと意識したい。シーズン前最後なので、確認というよりしっかり入っていくことが大事になる」

 今回の登板は引き締め役も担う。このところのカープ先発陣に「四球病」が伝染。前日20日は薮田が4回途中5四球6失点など、オープン戦チーム61与四球は12球団ワースト。2番目に多いソフトバンクの50与四球を引き離している。畝投手コーチは「カウントを整えられていない。自分で転がっている」と頭を抱える。野村は制球難で自滅するタイプではないが、嫌な流れをせき止めたい。

 今年の初頭には松田オーナーが、球団初リーグ3連覇のテーマの1つに「守って勝つために四球を減らすことが必要」と与四球の減少を掲げた。昨年公式戦は476と、2年前の418より増加。オープン戦の間に、この傾向に歯止めをかける必要がある。高ヘッドコーチは「残り3試合(の先発)はローテ投手だし、しっかり投げてもらいたい。ここまで(全体的に)良くなかったから、これから良くなるだけだと思う」と上がり目に期待した。

 野村は決定的とみられる開幕投手については明言を避けたが、シーズンに向けて「しっかり準備したい」と意気込んだ。オープン戦ラスト2試合はジョンソン、大瀬良の順で先発の見通し。まずは投手陣のリーダー格が、手本となるような快投でファンと首脳陣を安心させる。【大池和幸】