日本ハムのドラフト１位ルーキー清宮幸太郎内野手（１８）が、プロ初スイングで初安打を放った。「６番指名打者」で２回２死走者なしの初打席、カウント１－１から外角高め直球を中堅フェンス直撃の二塁打とした。デビュー戦は３打数１安打で、敗戦も輝きを放った。

　喜びの後は、悔しさで胸がいっぱいになった。日本ハム清宮は、プロ初打席で初安打となる二塁打を記録した後、５回の第２打席、７回の第３打席では、楽天岸の前に２打席連続空振り三振に倒れた。「岸さんの球は素晴らしかったし、嶋さんの配球にも裏を突かれた」と、プロの技術を身をもって知った。

　先頭の５回、初球のド真ん中の１４４キロ直球を一振。鋭い弾丸ライナーに一瞬、スタンドはどよめいたが、打球は右翼線を切れてファウルに。ここまでは良かったが、最後はチェンジアップを２球連続で振らされ「途中までは真っすぐに見えた」と脱帽。「ベンチへ戻ったら、みなさんから『あれは日本一（のチェンジアップ）だから』と」。一級品のボールに、闘争心をかきたてられた。

　２死三塁の７回、再びチェンジアップにバットが空を切り、フルスイングした１８歳は左ひざが地面に着く屈辱に、思わず苦笑いを浮かべた。「そう、うまくは、いかない。（安打を打った第１打席は）まだ怖いもの知らずだった」。ベンチへ戻ると、悔しそうに口を真一文字に結んだ。

　試合終了の瞬間は、ネクストバッターズサークルにいた。「うれしいこと、悔しいこと、両方ありましたけど、課題が見つかる試合はなかなか、ない。この２打席が、次に対戦した時の宿題かなと思います」。喜怒哀楽に満ちた２時間４９分を、ステップアップの糧にする。【中島宙恵】