プロ野球日本記録2215試合連続出場で「鉄人」と呼ばれ、4月23日に上行結腸がんのため71歳で死去した元広島内野手、衣笠祥雄氏のお別れの会が28日、広島市内のホテルで開催された。緒方孝市監督(49)は偉大なOBにあらためて球団初リーグ3連覇と34年ぶり日本一を誓い、日本人4番として衣笠氏が注目していた鈴木誠也外野手(23)は「鉄人」への目標を立てた。
会場には現役初期から引退後まで、衣笠さんの足跡を示す多くの写真パネルが飾られた。それらを眺めながら、緒方監督はつぶやいた。「本当に笑顔の写真が多い。そしてバットを持った姿は眼光が鋭くて、衣笠さんらしい。本当に偉大な大先輩」。一番の思い出と振り返るのは監督就任1年目。「失敗を恐れずに采配しなさい」と激励された。
「今でも覚えている。中でも熱く語ってくれたのが『カープで日本人の4番打者を育てたいね』と。今、こうして鈴木誠也がカープの4番として日々成長していく姿を、衣笠さんが喜んでいると思う」。主に関東でテレビ解説をしていた衣笠氏とは、遠征先の球場で野球談議を交わした。
話題はやはり打者のことが多く、衣笠氏も近年は特に鈴木に注目していたという。「会うと必ずそういう話になった。一番気にかけていたと思う。まだまだ成長の途中。衣笠さんに負けないような選手になってほしい」と期待をかけた。
当の鈴木も献花を終え、衣笠氏の偉大さを感じ取った。「けがまでして出ていたと聞いた。僕だったら心が折れている。あらためてすごい方だなと思う。たくさんの人に愛された選手。僕もどこまで試合に出られるか分からないけど、頑張って鉄人になれるようにしたい」。カープの新鉄人になる目標を立てた。
チームは球団初のリーグ3連覇へ首位を快走中。緒方監督は、祭壇に立てられた穏やかな笑顔の写真に語りかけるように話した。
「チーム一丸となって秋にリーグ優勝、日本一の報告ができるように精いっぱい頑張りますと、写真の前で誓った。衣笠さんの時代はカープが弱い時から黄金時代、強いカープをつくられた。負けないぐらいのチームをつくるため、全力を尽くしていく」
育成とともに勝利を求めるのが広島球団の伝統であり宿命だ。天国に旅立った先人の遺志を継ぎ、シーズン終了後には最高の手向けを届けたい。【大池和幸】



