楽天は18日、国内フリーエージェント権(FA)を行使した西武浅村栄斗内野手(28)と都内で初交渉を行った。

テーブルの席には石井GM、立花社長が着き、食事を取りながらの交渉は、予定していた時間よりも長引き、熱のこもった時間となった。球団側は背番号「3」を用意。楽天史上最高額となる4年総額20億円以上の大型契約も提示したとみられる。

浅村は他球団との交渉が終わっていない状況を踏まえ、発言を控えるため、会見場に姿を現さなかった。

予定していた2時間の交渉時間をオーバーし、15分ほど遅れて石井GMが会見場に現れた。浅村も登壇する予定だったが、他球団との交渉が全て終わっていないこともあり、発言を控えたいという本人の意向で、石井GM1人での対応となった。「感触はよく分からない」と石井節を展開しながら、多くの報道陣を前にあらためて、浅村を欲する熱意を語った。

石井GM 今いるプレーヤーの中でも、セカンドを守れて、打撃もすごくて、背中で引っ張れる選手はなかなかいない。いるだけで存在感があるし、これだけ歯車にガッチリかみ合う人はいない。うちが優勝するために大事なピース。こういうスペシャルな選手はなかなか出てこない。

熱量は、数字に表れた。西武でも着けているなじみの番号「3」を用意することを明言。楽天では主に助っ人外国人が背負っていた数字で、日本一となった13年には今季まで巨人に所属していたマギーがつけていた。

さらには4年総額20億円以上の大型契約を提示したもよう。実現すれば、西武からFA移籍した岸の4年16億円を超える楽天史上最高額となる。

そんな数字以上に濃い会話で、ラブコールを送った。自身のメジャー挑戦やFA移籍した経験を踏まえ「殺し文句は必要ない」と前置きし「1歩、外に出てみないと分からないこともある。移籍することはマイナスではない。そうした移籍した時の心境などを話させてもらった」と説明。「どれだけ必要なのか、伝えたいことは伝えた」と振り返った。

浅村は15日にFA交渉解禁後、ソフトバンクと既に交渉を行っており、今後はオリックス、西武とも交渉する見通しとなっている。

石井GMは「いい決断となってほしい」と西武時代のチームメートへ、最後まで熱い気持ちを伝えた。【栗田尚樹】