指導者たちは頭の中身を更新せよ!DeNA筒香嘉智外野手(27)が20日、出身地の和歌山・橋本市スポーツ推進アドバイザー第1号の就任式に出席。小、中学生のスポーツ指導者向け研修会で、強烈なメッセージを発信した。

筒香が再び痛烈提言した。指導者約50人を前にした講演。遠慮することなく、自らの考えを発表した。

筒香 多くの指導者は自分が経験したことばかりを言っていると思う。頭の中がアップデートされていない。時代は明らかに違う。常にアップデートしていかないと、子どもたちの将来は守れない。

古くから言われる「上からたたけ」の打撃指導について「人それぞれ感覚は違う。プロでも活躍している選手ほど平行に(バットを)入れている。ちょっと下気味から入れている選手も多くなっている」と説明した。近年「フライボール革命」が大リーグを席巻。ゴロをたたきつけるより、約30度の角度で打ち出す方が、安打や本塁打の確率が高いとの分析が出ている。教える側も常に学び、知識を更新することを求めた。

さらに一方的な押しつけは、子どもの「自分で考える力」が育たないとし、指導者と子どもの関わりについて「電波の悪いwi-fiと電子機器のように見える」と警鐘を鳴らした。今月14日、かつて所属した堺ビッグボーイズの体験会に出席。「指導というよりは暴言、罵声」と少年野球指導で勝利至上主義がはびこる現状に苦言を呈していた。

この日の午後は、同市スポーツ少年団の70人とミニ運動会に参加し、「失敗することは恥ずかしくない。ミスを恐れ、チャレンジしないことの方がかっこ悪いんだ」と強調。最後まで優しい目で、子どもたちを見つめていた。【鈴木正章】