現役時代に西武の正捕手としてオリックス時代のマリナーズ・イチロー外野手と対戦してきた中日伊東勤ヘッドコーチが22日、楽天とのオープン戦(ナゴヤドーム)の試合前に同外野手との思い出を語った。

「どこに投げても打たれた。ここに投げれば抑えられるという配球はなかった。1試合でノーヒットに抑えようとは思っていなかった。素晴らしい技術の持ち主。どうやって抑えられるかとバッテリーで苦しんだが、楽しくやれた」。ライバルとの駆け引きが、常勝軍団の正捕手に磨きをかけたことを振り返った。

印象に残ったシーンを聞かれると、99年5月の松坂対イチローの対戦を口にした。「僕はマスクを被ってなかったけど、大輔が3三振だったかな。あのイチローが打てないのか。逆に大輔のすごさを感じさせてくれた」。現在は同じ中日のユニホームを着るかつての西武のエース松坂。イチローの思い出から、ファームで右肩の故障のリハビリに励む怪物右腕に思いをはせていた。