ソフトバンクが異例の新外国人補強を進めていることが21日、明らかになった。昨年のMLBドラフトで1巡目(全体8位)指名を受けた大物有望株カーター・スチュワート投手(19=東フロリダ州立短大)と契約交渉を行っていることが判明。

今年6月のMLBドラフトでも上位指名が確実視される右腕で、日本球界入りが実現すれば“直メジャー”とは反対の“直日本”の珍しい事例となる。

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米大リーグのドラフトで上位指名を受けたが入団せずに来日した選手には、古くは日系のデレク・タツノ投手がいました。ハワイ大から79年パドレスに2巡目指名されましたが、大学NO・1投手と言われながらの低評価にショックを受け、日本の社会人プリンスホテル入り。西武入団を熱望しましたが、日米紳士協定を理由に大リーグ球団は毎年指名を続け、82年ブルワーズに1巡目で入団しました。

02年6月にレッズが1巡目(全体40位)指名したマーク・シュラメック内野手(テキサス大サンアントニオ校)は、7月に来日し、オリックスの入団テストに合格しました。9年契約で契約金40万ドル(当時のレートで約4800万円)を提示されるも、入団には至りませんでした。その後はレッズに入団。03~06年にマイナーでプレーしましたが、大リーグには昇格できませんでした。

09年にはスチュアートと同じボラス氏が代理人を務めるストラスバーグ投手がナショナルズに1巡目指名された際、日本入りをほのめかした例がありました。メジャーで上位指名されながら入団せず、日本球団に入れば初めてだと思います。しかし、日本で長くプレーすることはなく、最終的に高額でMLBに売りつけるつもりでしょう。(大リーグ研究家)