ソフトバンクが、昨年のMLBドラフトで1巡目(全体8位)指名を受けた大物有望株カーター・スチュワート投手(19=東フロリダ州立大)と契約合意したと、米敏腕記者ローゼンタール氏が21日、情報筋の話として自身のツイッターで伝えた。

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日本球団が米国のトップクラスのアマ選手を獲得することに、ルール上の問題はない。

紳士協定は長らく存在していた。1962年(昭37)、内村祐之、フォード・フリックの日米のコミッショナーが、東京で会談し、MLB側からの要望で「双方のアマチュア選手の獲得は、あらゆる種類の問題を引き起こすので自粛すべきだと思う」と確認した。

75年には全米NO・1左腕と評されたアリゾナ州立大のフロイド・バニスターをある日本球団が獲得に動いた。だがNPBからの身分照会に対し、MLBは「アマ選手を獲得することは両国の野球界にとって最高の利益にならないと考え、残念ながら承認できない」と回答。その球団は獲得をあきらめた。

だが、そもそも拘束力がない紳士協定。97年にドラフト会議で指名されなかった秋田・大曲工の後松重栄投手がメッツとマイナー契約を締結。職業選択の自由、人権の見地からメジャー挑戦を希望すれば、法的には認められるというのがMLBの主張だったという。

その後、08年に新日本石油ENEOSのドラフト1位候補、田沢純一投手がメジャー挑戦表明時もNPBは反発はしたが、日米間で紳士協定を越えたルールは制定されず。昨年はパナソニックの吉川峻平投手がダイヤモンドバックスとマイナー契約。正式な手続きを踏まず、社会人野球から「永久追放」となったが“紳士協定”の観点での議論にはあまりならなかった。