西武戸川「完璧」球団育成出身1号 実家は名馬生産

<ロッテ2-3西武>◇31日◇ZOZOマリン

西武の道産子スラッガー戸川大輔外野手(23)が、プロ1号となる同点本塁打を放ち勝利に貢献した。1点を追う5回1死、ロッテ二木の外角低め直球を右翼席に突き刺した。実家は国内外でG16勝を挙げた名馬「モーリス」を生産した戸川牧場。球団の育成出身選手としては初の本塁打で、同率首位のソフトバンク、楽天とは0・5差。昨年覇者が手応え十分に上がってきた。

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期待の大型外野手は打席で冷静だった。戸川はロッテ二木の3球目、外角低め141キロ直球を弾丸ライナーで右翼席最前列へ運んだ。「もう完璧でした。僕のエラーをきっかけに失点してしまったので、自分で取りかえしたい気持ちでした。打ててよかったです」。

1回無死二塁の守備でロッテ鈴木のライナーを後逸する適時失策をおかしただけに、ミスを帳消しにする貴重な1発。これで火が付いた打線が、この回さらに追加点を挙げ、5月最後のゲームをものにした。

実家は北海道日高町の戸川牧場。15年のG1安田記念、マイルチャンピオンシップ、香港マイルなどを制した牡馬モーリスを生産した。15年の年度代表馬にも輝くなど、国内外で生涯獲得賞金10億8000万円超の名馬となったが、たたき上げからはい上がったその姿に、自分を重ね合わせる。億を超える値がつくディープインパクト産駒とは違い、1歳時のセリでついた価格は150万円だった。自身も北海高から14年育成1位で入団し、実力で支配下契約をつかみ取った。15年の安田記念は初めて競馬場で生観戦。「うちの馬じゃないみたい。その時は感動しましたね」と振り返る。あれから4年、自身もついに1軍の晴れ舞台にまでたどり着いた。

競馬で言えば、中央競馬の新馬戦を走り始めたばかり。「まだまだ試されている立場。1試合1試合、集中していきたい」と油断はない。若手長距離砲の貴重な一打に辻監督も「必死だよね。見事なホームラン、よかったと思います」と目を細めた。2日にはくしくもモーリスが初めてG1馬となった安田記念が開催される。戸川に予想を問うと「分かりません。それどころじゃないです」。名馬に負けじと、力強く走りだした。【鈴木正章】

▼14年育成ドラフト1位で入団した西武戸川がプロ初本塁打。本塁打を放った育成ドラフト入団選手は、今季の周東(ソフトバンク)に次いで通算12人目。西武の打者では初めて。

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  • ロッテ対西武 プロ初本塁打を放った西武戸川は記念球を手に笑顔を見せる(撮影・滝沢徹郎)