日本ハム宮西尚生投手(34)が、本気の勝負で次代のスターを封じた。

2年連続3度目の出場となった球宴は5回に出番が訪れた。打席には前半戦で20発をマークした19歳のヤクルト村上。「オールスターなら真っすぐ勝負かもしれないけど…しっかり抑えたいと思ってスライダーを投げちゃった」。直球3球で追い込み、最後は伝家の宝刀127キロのスライダーで空振り三振。貫禄を見せた。

勝負の後半戦へ向けて景気づけとなる内容だった。自身は球宴で初めての3者凡退。普段より2、3キロ増しの最速145キロもマークした。「(スピードガンも)オールスター用でしょ? 勘違いしたよね」と苦笑いも、いつもと変わらぬ仕事ぶりに「しっかり抑えたいと思っていました」と手応えをにじませた。

試合前には関学大で同期のロッテ荻野、後輩の阪神近本と記念撮影。「オールスターで関学出身の3人がそろうのはすごい」と互いに健闘を誓い合った。さらには、同僚の西川と西武秋山がスライダーへの対応法を議論する場面に遭遇して「盗み聞きしていました」とニヤリ。「それを聞いても(秋山の)怖さは変わらない」と言いながらも、覇権を争う強力なライバルの思考にも、思わぬ形で触れた。

15日から首位ソフトバンクとの3連戦(ヤフオクドーム)で後半戦がスタートする。「かなり大事。5、6月は連投ができなかったので、しっかり働きたい」とフル回転を宣言した。【木下大輔】