独走から一転、ソフトバンクが首位陥落の危機に陥った。

試合開始から10分もたたないうちに、試合の大勢は決してしまった。先発の二保が初回、モヤに2ランを食らった。1点をもぎ取るのも困難なオリックス先発山本を前に、重い先制パンチを受けた。

工藤公康監督(56)は「痛いといえば痛いけど、打たれようと思って打たれるピッチャーはいない。あそこで止めていれば、というところだった」と言葉を選びながら振り返った。

二保は3回にも味方失策絡みで1失点。4回には松井佑にソロ本塁打を浴び、4回4失点でKOされた。打線も5回2死まで1人の走者も出せず。9回2死から3点を返すのがやっとで、時すでに遅しだった。最下位オリックスに対し、今季6カード目で初めての負け越しが決まった。

3連敗中のここ3試合はすべて、決勝点を本塁打で奪われている。前日からのオリックス戦2試合に限れば、いずれも初回に決勝弾を浴びた。3試合で9本塁打18失点と投手陣が精彩を欠いている。工藤監督は「(被本塁打が多いのは)重々わかっております。バッテリーを含めて、しっかり考えなければいけない」と厳しい表情。甲斐も「防がないといけないし、防ぐ方法はある。配球やジェスチャーだったり、キャッチャーとしてできることはたくさんある」と、改善のため尽くすことを誓った。

後半戦開始時には2位日本ハムに7ゲーム差をつけていたが、ついに「0・5」に迫られた。指揮官は「まだまだ。これからですから。まだまだ」と自らに言い聞かせるように、力強く言った。【山本大地】